

こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 最も重要な班長の役割
- 班長の仕事の具体例3つ
- 管理職と班長の役割について

班長になりたての人やこれからなる人のよくある悩みとして、「班長っていったい何をすればいいのだろうか?」という点があると思います。
いきなりですが、私自身は班長になる職種ではないので班長になったことはありません。
しかし、班長になる人に役割を伝えたり、悩みを聞いたりすることも多く、大体の人が悩むポイントもわかる様になりました。
そうした中で共通して悩んでいるのが、班長という役職の捉え方です。
具体的な実務作業は教わればできるようになります。
でも、そういった部分ではない、「何をすべきか?」という事や、「班をどこへ導くか?」といった疑問については答えを見つけにくいか、あまり考えたことがない人が多いです。
しかし、この部分が班長という役職の最も重要な部分ですので、そこを解説したいと思います。
目次
班長の最も重要な役割
結論からいきます。
班長の最も重要な役割
あなたの班が最大の成果をあげる為に、必要な事をおこなう
これが班長が行うべき最も重要な仕事です。
具体的な業務については、会社、部署によって千差万別ですので、一概に答えることはできませんが、どんな班長でも共通するのがこれです。
もう少し解説します。
班長の役割とは「班の目的」を達成させること(成果をあげること)
あなたが所属する「会社」は、別の言い方をすれば「組織」です。
「組織」とは「ある目的を達成する為に作られる集団」のことです。
そしてあなたが束ねる班も、会社よりは小さい単位ですが、立派な「組織」です。
「成果をあげる」とは「ある目的を達成する事」です。
つまり、あなたの束ねる班には目的があって、それを達成する事が求められているわけです。
逆に言えば、目的を達成できない(=成果をあげられない)組織には存在価値がないという事でもあります。
だから、それを達成する為に必要な事を行うのがその組織の役割であり、その組織を束ねる班長はそれに責任を持つのです。
それが、「班が最大の成果をあげる為に、必要な事をおこなう」ということの意味です。
班が成果をあげるには?
実際の成果がどんなものかが、あまりピンと来ないと思いますので解説します。
すごく簡単な言い方をすれば、「成果とは、会社にとって最もプラスになる事」です。
たとえば、成果とは次のようなものです。
- 利益の向上
- 持続可能な組織づくり
これらの「成果」を最大にしようとすると、次のような事を思うかもしれません。
がむしゃらにムチを打って部下を働かせれば、利益が向上する。
ならば、それをすればいいのか?
これだと、確かに短期的には利益が上がるかもしれません。
でも、これではずっと続ける事は出来ませんよね?
長期的に見れば、人がすり減って効率が悪くなったり、退職者が続出したりと、良い事はないでしょう。
だから、これではダメです。
班長の役割はあげるべき成果を考え抜き、達成させること
「では最大の成果を出すにはどうすれば良いのか?」
・・・それを考えるのが班長の役割なのです。
いじわるではなく、本当にこれが大事なのです。
ここをすっ飛ばして具体的な仕事の内容だけ伝えてもダメなのです。
何をどうすべきかを悩んで悩んで考え抜くのが最も重要なのです。
これをしないと、結局は言われたことをやっているだけで、いずれ班長としての役割を果たせなくなってしまいます。
そして役割を果たせなくなるその時は、いつか必ず訪れます。
だから、そうならないように自分で考えるのです。
何をすべきかをしっかりと考えた上で、それを実行して達成するのです。
以上をまとめると次のようになります。
班長の役割を果たす手順
班長の役割:自分の班が最も会社にとってプラスになる事をおこなう為に、必要な事をする
- 手順①:役割を知る(この記事を読めばOK)
- 手順②:どんな成果を上げるのかを考える
- 手順③:それを達成する為の道筋を用意する
これは、基本であり奥義です。
必ず身につけましょう。
しかし、現実にはこの最も重要な班長の役割を理解している人はほぼいません。
ただ単に管理系や指示出し系の仕事を行っているだけで、本質が見えていないのです。
逆に言えば、この本質を理解して実行さえすれば、ダントツに優秀な班長になれるということでもあります。
具体的な班長の仕事
「自分で考えるのがとても大切なのはわかったけど、もう少し具体的にならないか?」というのが本音だと思います。
実際問題、最初は考えるのはとても難しいです。
最初は考えるきっかけが必要なので、具体例を挙げていきます。
求められる成果というのは大体が次の3つの上に成り立ちます。
代表的な班長の仕事
- 仕事①:班員の安全管理
- 仕事②:生産性の向上
- 仕事③:部下の管理、教育
順に解説します。
仕事①:班員の安全管理
部下の安全をどうやって守るか?を考えます。
具体的に何をすれば安全や無災害が達成できるのかを考え、実行します。
ただ何となく「今までもKYTをやっているから続けよう」ではダメなのです。
自分たちが何をして、どういう能力を鍛えて、どうやって無災害を達成するのかを検討する必要があります。
これについては、この記事を参考にして頂ければと思います。
この記事を最初に読んで、そこからさまざまな具体的な対策を見る事が出来ます。
仕事②:生産性の向上
これは、材料ロス、時間ロスはもちろんの事、納期、在庫等も含めた、大きな意味での「生産性」になります。
要するに、会社が儲かるようにすることです。
「生産性の向上」が、一番わかりやすくて得意な部分ではないでしょうか?
- 今どこを改善するのが最も求められているのか?
- どこを改善するのが最も成果をあげられるのか?
- 具体的にどうやって改善するのか?
こういった事を考えて、自分たちが何をして会社の利益に貢献するのかを考えていくのです。
平たく言えば、「改善」になります。
ネタ探しなどはこちらからどうぞ。
仕事③:部下の管理、教育
安全や生産性の目標を達成するには、部下に色々なことをやってもらわなければなりません。
- 部下が問題なく進められているかをチェックする
- 不具合があれば取り除いてあげる
- 部下に出来ない事があれば、出来るように教育する
このようなイメージで何が必要なのかを考えていきます。
ここでポイントとなるのは、「管理するための管理をしない事」、「教育するための教育をしない事」です。
管理や教育はあくまでも成果をあげる為の補助ツールとして行うものです。
「上司だから部下を管理する」のではなく、「成果をあげる為に部下を管理する」なのです。
ですので、「成果につながらない管理と教育は一切しない」くらいの気持ちでいきましょう。
教育についての心構えについてはこちらの記事をどうぞ。
以上のようなイメージで具体的に何をどう行うかを考えていきましょう。
今回例を出した3つのこと以外にも班長の考えるべきことはたくさんあります。
それこそ、小さなものから含めれば数百から数千個もあると思います。
こういった考えるべき疑問と向き合い、答えを出していくのが班長の役割です。
途方もないと感じたでしょうか?それとも面白いと感じたでしょうか?
大丈夫です。やれることをやっていけば良いのです。
こんな勉強記事を読んでいるあなたなら間違いなくやれますよ!
班長の役割も管理職の役割も同じ
今回解説したのは班長の役割です。
しかし、今回解説した内容は課長や部長などの管理職の役割と同じなのです。
実は、班長でも課長でも部長でも、組織を束ねる人間は「組織の範囲が異なるだけで考えることは同じ」なのです。
班長であれば、対象が班ですが、課長なら課、部長なら部になるだけです。
つまり、班長の段階でそれを理解して体得すれば、その先もっと昇進しても束ねる範囲が変わるだけで済むのです。
もちろん、範囲が広がれば難易度も変わりますし、実務的にも大きく異なりますので万事OKというわけではありません。
ですが、管理職として最も重要なポイントの押さえ方は同じなのです。
要するに持っている手札が違うだけで、「組織の目的を達成する為にあれこれ考えて、実行すること」というのは同じなのです。
次の記事も、マネージャー向けに書いていますが、マネージャーを班長に読み替えてもなにも問題ありませんので、興味があれば読んでみてください。
きっと為になります。
最後に
人を束ねる立場になると、どうしても今までの仕事のやり方とは異なる部分が出てくるので、困惑するかと思います。
しかし、人を束ねる立場にまでなるあなたは、優秀だからその立場になったのです。
仕事のやり方、考え方は色々と変化するかもしれませんが、そんな優秀なあなたならきっと大丈夫です。
今回の記事で解説した内容をしっかりと考えれば、まず間違いなく班長としてダントツに優秀な人になれます。
実際問題として、今回の記事で解説した内容を出来ている人というのはほとんどいません。
これは難しいからではなく、「知らない」からです。
だから、これを知って周囲から一歩も二歩も先を進んでいってもらえればと思います。
きっと楽しくなりますよ!
それでは、今日も一日ご安全に!