結局はあなたの本気度で決まるよ!
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- なぜ改善活動が進まないのか?
- 現場の改善活動が進むかどうかの10の質問
- 現場の改善活動の進め方
改善活動が進まなかったし現場が進むようになり、自発的に改善提案を出すようにしたこともあります。
現場改善が進まないと感じている人のよくある悩みとして、「どうしたら改善が進むのだろうか?」という点があると思います。
私も以前に、現場の改善活動が進まないと悩んだことがありました。どうしていいかわからずに試行錯誤を繰り返してきました。効果のない取り組みを1年間も続けてしまい、1年を棒に振った事もありました。
そんな職場で、試行錯誤を繰り返す中で色々なことが見えて来ました。
そしてその知識を活かすと改善活動が進むようになり、最終的には自分たちで改善活動を行うようになり、とやかく言う事もなくなりました。
この経験から「どうすれば改善活動が進むのか?」を見つけ出し、その効果も実証できました。
そこで、私が見つけた方法を解説しようと思います。
目次
なぜ改善活動が進まないのか?
まず、改善が進まない職場で聞こえてくるキーワードがあります。
次のような言葉に聞き覚えが無いでしょうか?
- 出来ない理由を言う
- 時間が無い
- お金が無い
- やっても無駄
- 現場に丸投げ
- どうせ続かない
- 無関心
- 意識が低い
- 今までこうやって来た
- やらされ感
- 無理
- 問題が起こったらどうするんだ?
- なぜこんなことしなきゃいけないの?
- おかしい事をおかしいと言えない
- 安易な対策
- 言い出しっぺが損をする
- うちの部署ばっかりじゃないか
- 足を引っ張る人がいる
この辺の言葉に聞き覚えがある職場はほぼ間違いなく改善は進んでいないでしょう。
そして、これは誰が悪いのでしょうか?
- 現場の人?
- 管理者?
- 会社のトップ?
こういう風に考えた場合、あんまりいい方向にはいきません。
(すみません、話を誘導したのは私ですね。。。)
こんな風に考えてる時点で、「出来ない理由を言う」になってしまっているのです。
だから、誰が悪いかはどうでも良いのです。
もちろん、簡単には無視できない気持ちも分かります。
しかし、無理やりでも無視していかないと腹が立つだけです。
ほんとに良いことないんです。(身に染みて経験あり)
必要なのは、「あなたが何をするか?」です。
周囲を変えるなんておこがましい、変えられるのは自分の行動だけなのです。
そして、その辺の考え方が分かるのが次の10個の質問です。
改善活動が進まない現場に当てはまる10個の質問
現場の改善活動が進むかどうかは、次の10の質問に胸を張って答えられるかどうかで変わります。
これが全て出来ていればいいというわけではなく、出来ていなくても改善が進む職場もあります。
結局大事なのは「本気で改善活動をしたいなら対処するわな。」という点に対処をしているかどうかです。
それをチェックする為のリストです。本音で答えてみてください。
10の質問
- ①:改善する目的とその理由、背景が伝わっているか?
- ②:それは筋の通った話か?
- ③:何をどうして欲しいのかが行動にまで落とし込まれているか?
- ④:頑張る理由があるか?
- ⑤:何があってもやりきるつもりか?
- ⑥:必要な準備をしているか?
- ⑦:現場の声が聞こえているか?(不都合、不具合に対処しているか?)
- ⑧:やりたいようにやらせているか?
- ⑨:効果や達成度が伝わっているか?
- ⑩:頑張りを評価しているか?
1つずつ解説します。
①:改善する目的とその理由、背景が伝わっているか?
そもそもなぜ改善活動が必要なのでしょうか?
これがしっかりと理解されているかで、やる気や行動が変わってきます。
日々の改善であれば、なぜそれを行うのかをしっかりと説明できますか?
上司から指示が出ているから?
それでは誰も納得しません。
忙しい中でもわざわざ行う理由をしっかりと理解してもらいましょう。
例えば、日々の改善をするのはこれから先も生き延びていくためです。
他社が改善を進めると競争力が上がって置いていかれます。
これが蓄積すると将来、人員の整理が始まったりボーナスが減額されたりします。
また、短期的な目的を持った改善でも「何の為なのか?」をしっかりと伝えなければなりません。
悪い例:上から指示が出たから。 良い例:○○の費用が経営を圧迫しており、これを改善しない限り利益が出ない。そうなると値上げするしかなくなり、注文が一気に減ってラインを止める可能性が出てくる。
「それは何とかしないとダメだな」と思えるような内容であるほど良いです。
②:それは筋の通った話か?
筋の通った話かどうか?というのも大きく関係します。
例えば、営業の戦略ミスで注文が減り、コストダウンで現場に頑張ってもらおうとすると、どうしても「営業は何をするの?」という疑問が生まれてしまいます。
「そんなこと言っても営業も製造も一心同体なんだからやるしかない!」と説明をしますが、腹に落ちてないので説明してもことあるごとにこういう質問が出ます。
本気で改善を進め始めるとこういった質問は減っていく傾向にはありますが、それでもやはり良いことではありません。
逆に、こういった疑問を無視していると「なんで俺たちが?」となり、やる気が出ません。
③:何をどうして欲しいのかが行動にまで落とし込まれているか?
具体的に何をどうして欲しいのかが行動にまで落とし込まれない限り、行動は生まれません。
「やらなきゃいけないのは分かるけど何をしていいのかわからない。」
こんな状態のまま、「目的を理解してもらったから勝手に考えてやってくれるでしょう」なんて考えていると停滞します。
④:頑張る理由があるか?
この改善を頑張れば、どうなるのか?をしっかりと提示してあげましょう。
しない場合どうなってしまうのか?でも良いです。
例えば、
- 「この改善が出来れば、今期の評価にプラスします。」
- 「これをしない事で、赤字に転落する恐れがある。赤字に転落すると、ボーナスが減額される可能性が高い。」
私自身は、査定で釣るのはあまり好きではないですが、テクニックの一つとしてはアリといえばアリです。
⑤:何があってもやりきるつもりか?
過去に何度も取り組みをして途中で投げ出したりしていると、「どうせまた今回も途中で終わるだろうから、適当に済ませよう」と考えてしまいます。
しっかりと計画を立てて、どうするのか?を決めないと中途半端で終わってしまう。
何が何でもやりきる覚悟はありますか?
⑥:必要な準備をしているか?
「時間も予算もないけど頑張って。」
これでは進みません。本気であれば予算も時間も用意するはずです。
「適当な事言って美味しい所だけ得ようとしてないか?」といった考えはすぐに見抜かれてしまいます。
お金を準備しろとは言いませんが、必要なら準備する覚悟はありますか?
⑦:現場の声が聞こえているか?(不都合、不具合に対処しているか?)
やるにあたって不都合な個所に対策を取っているでしょうか?また、その姿勢を見せているでしょうか?
- 「うちの部署ばかり。よその部署は全然やってないじゃないか」
- 「そんなのいつやるの?」
- 「ここを前から改善したいと言っているけど全然動いていないじゃないか」
こんな意見が出てしまうようではまだまだです。出てしまった場合はすぐに対応しましょう。
⑧:やりたいようにやらせているか?
改善を進めるにあたり、本人たちに考えさせているか?
何かを改善する時にあれもこれも全て細かく指示してはダメです。
目的に沿う範囲のなかでは、本人たちがやりたいようにやらせないと伸びないし、考えなくなります。
相手を信頼して任せているか?
これが非常に重要です。
ただし、丸投げにならないようにも注意しないといけません。
⑨:効果や達成度が伝わっているか?
行なった改善に対して、どれくらいの効果が出ているのかをしっかりと伝えているでしょうか?
これがないと、一時は改善を進めてもすぐに止まってしまいます。
自分たちがやったことがどれだけ良い事なのかをしっかりと伝えてください。
毎月の効果をグラフにして貼り出すのも良いやり方です。
⑩:頑張りを評価しているか?
具体的な効果をだけでなく、身近な人間としての評価を伝えているでしょうか?朝礼などで話をしてホメているでしょうか?
- 「おかげでこんなに助かったよ!」
- 「よくこんなすごい改善できたね!」
- 「すごい発想だね!」
人によっては、具体的な効果を知らせるよりもこちらの方が効く事もあります。
やっぱり身近な人に認められるというのは嬉しいものです。
現場の改善活動が進むかどうかはあなたの「本気度」で決まる
さて、いくつ胸を張って答えられたでしょうか?
もちろん、内容によってはあなたの立場では動かせない部分があると思います。
しかし、大事なのはここからです。
答えられないからと言って改善が進まないわけではありません。
答えられない質問に対して、あなたがどう捉えているかが重要なのです。
「確かにこの質問には答えられない。。。でも、それでも、やっぱり改善は進めたいんだ。」
このように思っているのであれば、あなたが行動し続ければ必ず現場の改善は進むようになります。
要するに、あなたが本気で何とかしようと動いているかどうかで、現場が動くか動かないかは決まります。
だから、全部に対応できていなくてもあなたが現場の為に何とか対応しようとしているかどうかが重要なのです。
どれだけ本気で動いているでしょうか?
結局はコレに尽きます。
どんなに進め方に工夫をしてもそれは小手先のテクニックでしかなく、あなたが本気じゃなかったら続かないんです。
改善活動の成果は計り知れない
そして改善活動というのは「本気でやるかどうか」でとてつもない差が出ます。
恐ろしいのは、本気で改善活動をやった場合の効果がどれだけ出るかが、全く分からないことです。
例えば、時間ロスを適当に改善して2%削減したとします。(2%でもすごい改善の場合もありますが。)
しかし、本気で改善した場合は10%かもしれませんし、50%かもしれません。
でも本気でやってないのでどれだけ改善できるかが全く見えないのです。
つまり、まだ見ぬ大きな効果を見落としてしまっているかもしれないのです。
50%改善できるのに2%しか改善していなかったらもっと頑張れと言えるのですが、2%が妥当かどうかも分からないのです。
だから、改善活動は「本気でやってもらうかどうか?」がとても重要なのです。
本気でやってもらうには、「相手の腹に落とすかどうか?」です。
そして、腹に落ちるかどうかは筋道の通った説明が必要ですが、一番重要なのはあなたの本気度なのです。
改善活動の3ステップでの進め方
続いては、活動の進め方を解説します。
重要性は本気度には遠く及びませんが、これも現場のやる気を喚起する方法ですので、併せて解説します。
基本となるのは、「自分たちの持っている実力を発揮してもらう」というスタンスです。
自分たちで考えてもらいます。もちろん、丸投げではありません。自分たちで考えたものの方がより動きやすく、効果も出やすいからです。
基本的なステップは3つです。
改善の進め方
- ステップ①:目標を定める
- ステップ②:改善を実施する
- ステップ③:進捗を確認する
1つずつ解説します。
ステップ①:目標を定める
まずは、何をするかを定めます。
○○の改善という目的のために具体的に何をするかを決めます。
実際に手を出してもらう人たちに意見を聞きます。
「今度はこんな改善の目的があるけどどんなことをすれば達成できますか?」
意見を集めて何をするかを決めてもらいます。
そして、それを次の項目を決めます。
- 誰がやるのか?(担当者)
- いつやるのか?(タイミング)
- いつまでにやるのか?(納期)
- どうやってやるのか?(手段)
- 何を準備すればできるのか?
- 効果はどうやって測るのか?
- 進捗確認はいつ、だれがするのか?
これをはっきりさせます。紙に書いて貼り出しておいても良いです。
もちろん、これは勝手に決めて、皆に「やれ!」では駄目ですよ。
ステップ②:改善を実施する
続いては、実際に改善を実施してもらいます。
何か問題があればすぐに対応します。「すぐに」です。
こちらの本気度を見せるチャンスでもあります。
ステップ③:進捗を確認する
ここでは、予定通りに改善が進んでいるのか?進んでいなければどうするのか?を確認していきます。
あまりプレッシャーをかけすぎないようにしつつ、やる事はしっかりとやってもらうようにしましょう。
「理由もなく何もしていない」なんて事があれば、しっかりと指導しなくてはなりません。
ここを怠るとすぐに停滞します。ダメなものはダメです。
頻度は、週に1回、月に1回などで行います。やる内容にもよるので自分たちに合った頻度にすればOKです。
ちなみに、私は、先にいつ進捗確認をするのかを日付まで含めて1年分決めてしまいます。
そうする事で、その都度予定を調整する手間がなくなるのでラクです。予定通りできない時だけ個別に調整します。
もちろん、この改善の進め方だけでは改善は進むわけではありません。10の質問にどれだけこたえられるか?
つまり、「あなたが本気である」という前提があって初めて機能します。
気持ちだけ、進め方だけ、どちらか片方では進まないのが現実です。
気持ちと進め方、この2つが合わさって初めて改善活動が進むようになるのです。
だから、あなたの本気度を皆に伝えて素晴らしい改善を生み出していきましょう!
最後に
なかなか思うように進まないのが改善活動ですが、一度歯車がかみ合うとどんどん面白くなります。
現場が本気で考えて実行したことが大きな効果を出していくのを見るのは本当に面白いです。
やり切った現場の人の顔を見るだけでも楽しいです。
そんな改善が進む現場を目指して頑張っていきましょう!
現場の改善活動を進める力は、現場力と言っても差し支えないと思います。
現場力を高める、こちらの記事も参考になるかもしれません。
改善ネタを見つける方法はこちらが参考になると思います。
改善の賞金を出せば何とかなると考えている方はこちらの記事が参考になります。
それでは、今日も一日ご安全に!