この記事では、ドラッカーの名著①「経営者の条件」を解説しています。
今回は終章の「成果をあげる能力を修得せよ」の解説をしていきます。
初回はこちら。
前回はこちら。
目次
この章のポイント
この章のポイントはタイトル通りです。
成果をあげる能力を修得することと、その理由です。
成果をあげる能力を修得すべき理由は、次の2つです。
終章のポイント
- 理由①:個人からの貢献を得るという組織のニーズを満たすため
- 理由②:自らの目的の達成のための道具として組織を使うという個人のニーズを満たすため
理由①によって、組織は個人から成果を吸収し、組織の目的を達成し、組織を存続させます。
理由②によって、個人は強みを生かして成果をあげることによって、自らの目的を達成します。
つまり、個人の自己実現が強みを生かす事によって達成されるということになります。
確かに、強みを生かし成果をあげることは個人にとって充実感や達成感を与えます。
もちろん、給料をしっかり貰った上での話ですが、この充実感や達成感があるからこそ、その組織で仕事を続けたいと考えるようになります。
で、それをする為には自分の強みをさらに伸ばしていく事が必要です。
そして強みを伸ばせばさらに成果も上がり、充実感も増えます。
このサイクルを繰り返す事が、自分と組織の双方にとって有意義になります。
だから、成果をあげる能力を修得する必要があるのです。
「終章 成果をあげる能力を修得せよ」の概略
終章では、序章から第7章までの総括と成果をあげる能力を修得する必要性について解説しています。
終章の流れ
- ①:成果をあげることは使命
- ②:現代社会に不可欠なもの
①:成果をあげることは使命
ここは前章までのおさらいです。
次の5つに分けて解説されています。
前章までのおさらい
- ①:時間が何に使われているかを記録すること
- ②:貢献に焦点を合わせること
- ③:強みを生かすこと
- ④:最も重要なことに集中すること
- ⑤:成果をあげる意思決定を行うこと
それぞれ解説します。
①:時間が何に使われているかを記録すること
時間が何に使われているかを記録する事で、大きな改善が実現されます。
しかもその効果はすぐに表れます。
時間の分析を行うことができ、時間を浪費する原因を除去する事ができます。
そしてそれが自分の中に浸透してくると、次のような大きな問いが現れます。
- 「何に時間を使うべきか?」
- 「何をすれば最も大きな成果を上げられるか?」
このような問いが自分の中に生まれたら次のステップです。
時間の章の記事はこちらです。
②:貢献に焦点を合わせること
「どうやって効率よくやるか?」ではなく、「どんな貢献をすべきか?」を考える段階です。
この問いについて考えると、現在の自分に出来ることはもちろんとして、他にも「もっとレベルの高い貢献をするにはどうすれば良いのか?」を考えるようになります。
当然、自分のレベルアップについても真剣に考えるようになります。
自らと自らの視点を貢献に合わせることによって、手段ではなく目的を中心に考えるようになる。
貢献の章の記事はこちらです。
③:強みを生かすこと
次は強みです。
強みを生かすということは、実行の段階です。
自分の持つ強みを生かして成果をあげていきます。
強みを生かす事によって個人の目的と組織のニーズを結び付け、個人の自己実現と組織の機会を結び付ける
強みの章の記事はこちらです。
④:最も重要なことに集中すること
時間と対になる、成果を支える二本柱です。
「本当に重要な事は何なのか?」を考え、「重要でない仕事をやらない」を徹底します。
これには技術的な事よりも「勇気」が重要になってきます。
やらない覚悟を持たなければなりません。
集中の章の記事はこちらです。
⑤:成果をあげる意思決定
問題の種類を知り、必要条件を明確にする、何が正しいかを知るなどの意思決定を行う為の道しるべがあります。
これらをもとに、責任ある判断を行えるように自らを育てていくことができます。
意思決定の章の記事はこちらです。
②:現代社会に不可欠なもの
いよいよ本書の最後です。
本書では一貫して「成果をあげること」について書かれています。
成果に焦点を合わせることで仕事の質が上がり、いかに成果をあげていくかを考えていくことについて論じられています。
そして「なぜ成果をあげるのか」という成果をあげる理由についても最後に触れています。
これには2つの理由があります。
成果をあげる理由
- ①:個人からの貢献得るという組織のニーズを満たす
- ②:自己実現のために組織を使うという個人のニーズを満たす
①:個人からの貢献得るという組織のニーズを満たす
まずは、組織は目的を達成しなければその存在価値がありません。
そして、その目的を達成する為に個人の力が必要になります。
組織は目的を達成するために人を雇い、成果をあげてもらわなければならないのです。
そして、組織はそれにより新しい事が出来るようになり、新しい目標を目指す事が出来るようになります。
これが組織のニーズです。
②:自己実現のために組織を使うという個人のニーズを満たす
自分の強みを生かして成果をあげることによって自己実現を図ります。
やはり仕事で成果を上げ、誰かの役に立つ、強みをより高める。
こういったことは個人でやるのはできないことでも組織でなら出来ることがたくさんあります。
だから、組織に所属する事で経済的な面ももちろんですが、それだけでなく自己実現も行う事が出来ます。
そして、個人が自己開発をする事で、組織はより成果をあげる事が出来、個人はさらに自己実現をする事が出来るようになります。
このように、組織と個人の両方のニーズを満たす事が成果をあげることであり、それをさらに積み上げていく事が出来るのが自己開発なのです。
だから、自己開発をし、成果をあげていく必要があるのです。
以上が「終章 成果をあげる能力を修得せよ」です。
最後に
終章はこの本の総括でした。
私は、この本に出会ったことによって、
- 時間の使い方をどうすべきか?
- 何のためにどんな仕事をするのか?
- どんな事を行えば成果が出るのか?
- その為に何を修得すべきなのか?
をしっかりと考える様になりました。
それまでは、がむしゃらに目の前の仕事を片付けるのが良いと思っていましたが、そうではありませんでした。
そして、これらを考えるようになってから、明らかに仕事の質が変わりました。
仕事の質が変わると周囲からの評判も変わります。
その他にも、自分よりも能力のある人が大した成果をあげられない姿もたくさん見ました。
私と同じ考え方が出来たらこの人すごい「化ける」のにな。なんて思う事もよくあります。
そして、このような人たちは、この名著を読んで実践しさえすればとんでもないメリットを受ける事が出来ます。
でも多くの人は「知らない」し、「読まない」し、「実践しない」のです。
そこで、たとえ一人でも良いからこの本の素晴らしさが伝われば良いなと思い、この記事を書きました。
私の記事ではまだまだ伝えきれない部分がたくさんありますので、ぜひ一度本を手に取ってみてはいかがでしょうか?
きっと人生変わりますよ!
私の人生を変えた一冊です。
それでは、今日も一日ご安全に!