マネジメント 安全

【安全対策】ゼロ災害達成は全体像を把握して対策しないとダメ!

悩めるあなた
ゼロ災害を達成するには、どうしたらいいのだろうか?
現場マン
色々な対策があるけど、その前に全体像の把握が必須だよ!

全体像を見た上で対策を取るのが良いよ!

こんな疑問に答えます。

 

本記事の内容

  • ゼロ災害達成の為に全体像が重要な理由
  • 安全関係の全体像の把握の仕方
  • 全体像を安全方針に集約する方法

 

現場マン
この記事を書いている私(現場マン)は工場の現場に関わって10年以上が経ち、工場の様々な問題に対処してきました。

「どうやってゼロ災害を達成するか?」についてもかなり悩んできました。

 

労働災害を無くしたいと悩んでいる人のよくある悩みとして、「何から始めたらいいのだろうか?」という点があると思います。

私の職場は残念ながら毎年労災を起こしてしまう職場でした。

その都度労災への対策は行うのですが、労災は手を変え品を変え襲ってきました。

どうしていいかわかりませんでした。

 

そんな中でも、ゼロ災害を達成するにはどうすべきかと考え続け、勉強していくうちに重要なポイントが見えて来ました。

各種ある安全対策が、何に対して効果があるのかを考えていくことで、今の自職場に必要な対策が見えて来ました。

ここから、効果のある対策を取り始める事が出来るようになりました。

 

それ以来、ゼロ災害を7年以上継続しています。

一人でも労災で苦しむ人が減ればと思い、これを解説したいと思います。

 


ゼロ災害の達成は安全の全体像から考えて対策を取る必要がある

 

ゼロ災害を達成するには、KYT、リスクアセスメントなどの単発の対策を行うことは重要ですが、それだけでは駄目です。

 

  • そもそもなぜ災害が発生するのか?
  • それを防ぐにはどうすればいいか?

 

この2つの疑問に答えられるようにしなければなりません。

この2つに答えない限りは、確実に抜け穴が存在してしまいます。

そして、その抜け穴から災害が発生してしまうのです。

 

まずは、これを意識しない場合で考えてみましょう。

 

「他部署で災害があったから水平展開で対策を取る。」

これ自体は素晴らしいですが、他の危険な部分はどうしましょうか?

 

KYTをおこなっている。

これも素晴らしいですが、KYTでは危険な場所自体はなくなりません。改善しなくてはならないのではないでしょうか?

 

このように、単発の対策では抜けが出てしまいます。

それは、それぞれ個別の対策は「何に対して効果がある」かが違うからです。

 

例えば、KYTをいくらやっても、現場の危険な場所は一つも減りません。

 

だから、全体像を把握してどの対策でどの効果を狙っていくのかを複合的に考える必要があるのです。

 

ゼロ災害達成の全体像を把握する

 

では、具体的に全体像とはどういったものでしょうか?

 

  • 質問①:そもそもなぜ災害が発生するのか?
  • 質問②:災害を防ぐにはどうすればいいか?

 

この2つの質問に答えていく事で全体像を把握できます。

 

質問①:そもそもなぜ災害が発生するのか?

これを考えていきましょう。

非常に壮大な質問にも見えますが、答えは簡単です。

 

  • 不安全な状態(環境)
  • 不安全な行動(人間)

 

この2つのどちらか、もしくは両方があるから災害が発生してしまうのです。

 

「不安全な状態」とは簡単に言うと「現場の危険な場所」です。

 

不安全な状態の一例

  • むき出しの刃物
  • 滑りやすい足場
  • むき出しの高温配管など

 

「不安全な行動」とは簡単に言うと「人の危険な行動」です。

 

不安全な行動

  • つい手を出してしまう
  • 走ってしまう
  • 周囲を確認しないで動くなど

 

危険な状態が存在せずに、危険な行動が存在しなければ怪我をする事はありません。

どちらか、もしくは両方があるから災害が発生するのです。

つまり、これらを無くす事で、「質問②:災害を防ぐにはどうすればいいか?」の答えも見つける事が出来ます。

 

質問②:災害を防ぐにはどうすればいいか?

先ほどの「不安全な状態」と「不安全な行動」についてそれぞれ分析していきます。

それぞれの対策が取れれば、災害を防ぐ事が出来るようになります。

 

ザーっと対策を挙げていくので混乱するかもしれませんが、後でまとめていますので、そのまま読み進めてください。

 

不安全な状態への対策

不安全な状態の対策を取るには、次のパターン別に不安全な状態を分析します。

 

不安全な状態への対策

  • ①:危険な場所を無くす、作らない
  • ②:異常が発生するから危険な場所になる

 

①:危険な場所を無くす、作らない

すでにある現場の危険な場所に具体的な対策をしていきます。

具体的には次の3つの方法があります。

リンクを貼っておきますが、単発の対策になってしまうので、まずはこの記事をすべて読んでからにしましょう。

 

【安全意識の向上】最も効果があった工場の安全対策【労災が激減!】

 

【結局悩むのはココ!】リスクアセスメントの進め方とポイントを解説

 

5Sの重要性がわかる「5Sの5つのステージ」を知る【5Sとは?】

 

これと同時に、何が危険かを理解することで危険な場所を見つけられるようにする必要があります。

理解する方法としては、次のようなものがあります。

 

何が危険かを理解する方法

 

【情報収集】工場の安全対策に「職場のあんぜんサイト」がオススメ!

 

【書式有り】KYT(危険予知訓練)とは?進め方とイラスト準備方法

 

 

②:異常おこさない、起こったときの対処法を決める

災害は異常が発生した時に起こる確率が非常に高いです。

普段だったら当たり前にこなす作業も、トラブルが起こった時はうまく作業できずに災害につながっています。

なので①と内容がかぶる部分がありますが、重要なので項目を分けておきます。

ここでは、3つの対策を取る必要があります。

 

異常を発生させない

異常を発生させないようにします。

 

  • どんな時に異常が起きるのか?
  • 壊れやすい部分は何か?
  • どんな対策がとれるのか?

 

こういった疑問に答えを出していきます。

 

異常が起こった時の対処法を決める

異常を0にする事は正直難しいですね。

だから、もし異常が起こってもちゃんと対処出来るようにしておきます。

 

異常に対処するには、

  • 異常に気付く力
  • 原因を突き止める力
  • 異常を認識し、必要な処置を判断する力
  • 異常を通常に戻す力

 

こういった能力が必要になります。

 

例:設備点検

  • どの設備が異常になるのが災害につながりやすいか

こういった視点で点検項目が設定されているでしょうか?

設備維持の観点だけからの点検項目になっていませんか?

 

こうやって考えると、5Sでも、点検でも普段当たり前にやっているものでも、見直す余地があることに気が付けますね。

以上が、不安全な状態への対策となります。

 

不安全な行動への対策

まずは、次のパターン別に不安全な行動を分析します。

 

不安全な行動への対策

  • ①:何が危険な行動かを知る(知識)
  • ②:危険な行動を取らない意識を持つ(意識)
  • ③:危険な行動をとらない、とらせない(徹底)

 

①:何が危険な行動かを知る(知識)

何が危険なのか?を知る必要もあります。

先ほどと同じですが、知る方法としては、次のようなものがあります。

 

【情報収集】工場の安全対策に「職場のあんぜんサイト」がオススメ!

 

【書式有り】KYT(危険予知訓練)とは?進め方とイラスト準備方法

 

②:危険な行動を取らない意識を持つ(意識)

経験上、これが一番重要です。

どんな対策をとっても、本人にその気がなければ効果は出ません。

「あ、絶対にケガしちゃいけないんだな」と思ってもらわなければなりません。

 

こういった意識を持つためには、次のようなことが必要です。

 

  • 全体像の把握(この記事の理解)
  • 本気でゼロ災害を達成するという目標の共有
  • ゼロ災害達成の為の対策の徹底
  • 安全第一を本音で徹底(生産性を言い訳にしない)
  • 具体的に行動する

 

全体像の把握(この記事の理解)

この記事を読んだあなたが、全体像を把握して職場の人たちに伝えればOKです。

 

本気でゼロ災害を達成するという目標の共有

建前でゼロ災害なんて言っていたら見透かされてしまいます。

本音で、本気で語り掛けましょう。

 

「もう災害を起こすのはやめよう」と。

「その為の行動をとります」と。

 

ゼロ災害達成の為の対策の徹底

ゼロ災害を達成する為の対策を徹底的にやりましょう。

上司から言われたからという、体裁の為の安全対策ではなく、部下を災害から守るための対策を行うのです。

 

安全第一を本音で徹底(生産性を言い訳にしない)

どうしても、安全第一と言いながら生産性を犠牲に出来ない部分があるのは分かります。

しかし、そういった部分を見てみぬふりをしていると現場は必ずこう思います。

 

「結局安全第一なんて口だけでしょ」

 

こうなったら負けです。完敗です。

どうしても生産性を犠牲にしなければならないと思える状況でも、最後まであがいてあがいて生産性と安全性を両立する方法を考え続けましょう。

そうすれば、みんなわかってくれますよ。

 

具体的に行動する

これも重要です。

いくら口で語っても、教育しても実際に当人たちが行動しないと意識は変わりません。

 

例えば、自分たちで危険な箇所に対策したとします。

そうすると、次のような気持ちが少なからず芽生えます。

 

「この対策をした自分がここで怪我をするわけにはいかないな」

 

これが意外と効果があります。

結局手を動かすのが一番効きます。

外せないポイントです。

 

以上のような対策を取る事で意識を向上でき、危険な行動をとらない意識が出来上がります。

 

③:危険な行動をとらない、とらせない(徹底)

実際に危険な行動をとらないようにしていっても、人間どうしても調子の悪い日などは横着してしまいがちです。

そこで、次のような補助的に危険な行動をとらないようなサポートをする事で危険な行動をとらせないようにします。

 

  • 体調管理(注意力の維持)
  • 日々の目配り
  • チームワーク
  • 当たり前に徹底する

 

こういった当人だけでなく、周囲のサポートもしていく事で災害発生の確率を下げていきます。

 

以上のような対策の中で、自分の職場に必要な事を行っていきます。

ここまでの内容は非常にごちゃごちゃしているので、次はこれを整理していきます。

 

ゼロ災害達成の全体像を安全方針に集約する

 

これまでの内容から、自分の職場に対して必要な事をまとめていき、「職場の安全方針」を掲げます。

方針はゼロ災害を達成する為、つまり、災害に打ち勝つために掲げます。

 

安全方針の作り方はこちらの記事で詳しく解説しています。

【参考事例付】絶対やるべき工場製造現場の安全方針と目標の作り方!

 

方針には、次の3つをしっかりと明記します。

 

  • 方針(=どんな考え方でゼロ災害を達成するか?)
  • 目的(=ゼロ災害の達成)
  • 目標(=ゼロ災害達成のために何をするか?)

 

そしてそれらが確実に行われるようにします。

具体的には、次の事を明記します。

 

  • 誰が
  • いつまでに
  • どんな対策を行うのか

 

これを個人の目標設定に入れるのも良いですね。

このようにして、ゼロ災害を達成する為の道筋を作りましょう。

ただ何となく口で言っているだけでは駄目です。

ゼロ災害を達成させるのは口でなく「行動」です。

 

このようにすると、全体を俯瞰してみることができるので、抜けを防ぐことが出来るようになります。

現在の自分の職場の弱点がどこにあるかもわかります。

 

だから全体像をつかむのです。

 

もちろん、これをやれば確実にゼロ災害を達成できるわけではありません。

でも、確実にゼロ災害には近づきます。

だから、こうやって全体像をつかんで、安全方針を掲げましょう。

 

最後に

今回は、安全の為にただがむしゃらに対策をするのではなく、一歩下がって全体像を把握するお話しでした。

夢中に、がむしゃらにというのは私自身とても好きなのですが、それだけでは駄目な場合もやっぱりあります。

 

がむしゃらになる前に、一歩下がって進むべき道をはっきりさせてから、がむしゃらに突き進みましょう!

 

皆で怪我無く安全に過ごしたいですね。

 

それでは今日も一日ご安全に!

 

 

 

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  • この記事を書いた人

現場マン

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