反対されるかもしれないし、どうやって進めればいいのだろうか?
でも、それを進める方法があるよ!
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 「やめる」ことは簡単なことではない
- 業務効率化のために無駄な仕事を「やめる」為の4つの手順
- 「抵抗」する人の4つのパターンと対処法
色々な無駄な仕事ををやめてきた経験もあります。
長いモノでは40年以上やり続けた方法を変えて新しいやり方に変更したこともあります。
業務効率化を考えている人のよくある悩みとして、「何かをやめることは難しい」という点があると思います。
私も昔はやめることがとても怖く、準備も全部できているのに言い出せないといったことがありました。
どうなるかわからない部分もあるし、誰に何を言われるかもわからなくて「そのままでも良いかな…。」と投げ出していたこともあります。
しかし、業務効率化を進めようとすると、どうしてもこの壁にぶち当たってしまいました。
古いことをやめないと、新しいことを始めても2度手間になるだけです。
そこで覚悟を決めてやめましたが悪いことはほとんど起こらず、起きてもすぐ対応できるものばかりでした。
こんな経験から私は「やめる」ことがどれだけ重要で、効果のあることかを理解し、このやり方を身につけました。
そこで、私が見つけた方法を解説しようと思います。
目次
無駄な仕事をやめるのは簡単なことではない
まず、先に知っておきたいのが、「無駄な仕事をやめるのは簡単なことではない」ということです。
それには大きく分けて2つの理由があります。
- 外的要因(周囲の抵抗・圧力)がある
- 内的要因(自分自身の不安)がある
外的要因(周囲の抵抗・圧力)がある
まずは外的要因から解説します。
外的要因には次のようなものがあって、周囲が抵抗します。
外的要因(周囲の抵抗・圧力)の例
- その仕事を始めた人のメンツがつぶれる
- 完全に無駄とは言い切れない
- その仕事をやっている人がプライドを持っている
- 習慣になってしまっている
- 変えるのが面倒くさい
- その仕事をやめることによる不具合が出る可能性が少しでもある
- その仕事をやめたら負荷が減って残業代が出なくなる
はたから見ると明らかに無駄な仕事だと分かっていても、このような理由で無駄な仕事をやめることに抵抗されます。
業務改善を命じられるのは若い人が多いと思います。
無駄な仕事でやめることに理があると分かっていても理不尽に文句を言われることもあります。
はっきり言って酷です。
そこで上司がズバッと言ってくれればいいのですが、そうでない上司も多いですよね。
さらに厄介なのが残業代などのお金が絡む場合です。
人様の家計のことに対して文句は言えないし、生活を困らせて恨まれるのも嫌だし、それをこっちに言われても仕方がないし…。
(無駄な仕事で残業代を当てにすること自体がダメだとはわかってますが、現実に生活困ると言われるときついですよね。)
こんなこと明らかにこちらには関係ない上に、こちらでは対応できない問題なので対処できないですよね。
内的要因(自部自身の不安)
そして、もう一つの、内的要因(自分自身の不安)は自分自身のなかで無駄な仕事をやめることを躊躇してしまうことです。
その中には次のようなものがあります。
内的要因(自分自身の不安)の例
- やめたら何かマズいことが起きるのでは?
- 誰かに文句を言われるのではないか?
こういった内容で「やっぱりやめておこう」とか、「メンドクサイ」と思います。
そして「まぁ、このまま続ければいいか。」と思ってしまいます。
こういったことも含めて、総合的に考えるとやっぱり無駄な仕事をやめるのは簡単ではないのです。
しかし、もし私があなたの上司だったらこれは絶対に言いませんが、「これらに対処する力を持っていれば、かなり強い」のです。
そこで、こういった外的要因、内的要因に打ち勝って無駄な仕事をやめていく為の手助けになることを解説していきます。
業務効率化のアイディアで最も効果的なのはやめること
まず初めに考えるのは無駄な仕事をやめることによる、その効果についてです。
その他の改善方法である、「減らす」、「やり方を変える」などは大きな改善にはなるかもしれませんが、手間は0にはなりません。
「やめる」ことは一切その時間を使わずに済むので、他の重要なことに時間を使えるようになります。
だから、最初に考えるべきことは「減らす」、「やり方を変える」ではなく、「やめる」です。
どうしてもやめられない場合に「減らす」、「やり方を変える」などの改善方法を検討するのです。
そして、実際にはやめてしまっても全く問題の無い仕事というのは結構あります。
無駄な仕事をやめる為の手順を解説します。
無駄な仕事をやめる4つの手順
手順としては次の通りです。
やめる為の4つの手順
- 手順①:その仕事の目的、効果を再検討する
- 手順②:周知してテストをする
- 手順③:結果から対策、効果を考える
- 手順④:実行に移す
手順①:その仕事の目的、効果を再検討する
まずは、無駄な仕事と思っている仕事が本当に無駄なのかをもう一度考え直します。
具体的には次のことを考えます。
- その仕事の目的が何なのか?
- その仕事をすることでどんな効果があるのか?
- その効果は本当に必要なのか?
- 効果に対してどれくらいの労力がかかっているのか
- その仕事をやめた場合の不具合は何があるか?
これらを考えます。
説得力が出るので、具体的な数値を出せるものは出しましょう。
ちなみにこれは、自分一人の判断で行うとかなり高い確率で痛い目にあいます。
「自分は必要ないと思っていても他の人にはとても大事なことだった。」という場合がよくあります。
だから想像できる関係者全員に聞いて回りましょう。
ここを怠ると後で痛い目にあったり、思わぬ反発を招いてしまうので、周囲の人の意見を聞くのは本当に重要です。
ちなみに、長い間ずっと行われている仕事は目的、効果が誰もわかっていなかったりします。
そういう場合も関係者にしっかりと相談をして、本当は何の為だったのかをしっかりと考えていきます。
「おそらくこういうことでは?」と仮説を立てられるくらいには考えてください。
どうしてもわからない場合は関係者にはっきりとわからない点を伝え、その上で了承してもらいましょう。
手順②:周知してテストをする
目的、効果があまり得られていないことが確認出来たら、その仕事をやめる方向で動き出します。
やめてしまっても問題ないかを確認するのにテストを行っていきます。
テストを行うには、まずは周知しましょう。関係者や責任者に説明をします。
- 「これをやめることで、これだけの手間と時間が削減できます。」
- 「削減できれば□□ができる様になります。」
- 「現在懸念される点は○○と○○で、その対策は△△で考えています。」
- 「これをテストして、効果があるかどうかを確認したいです。」
このような形で説明しましょう。
出来るだけ具体的な数字で説明するとより良いです。
関係者に知ってもらい、了承を取ったうえで出来る範囲のテストを行います。
一気にやると周囲の反発が出やすいので、テストは分割できるのであれば分割して行いましょう。
手順③:結果から対策、効果を考える
テストを行ったら、必ず結果が見えてきます。
何の問題もなく進めばいいですが、そうでない事も多いので発見された問題の対策を考えます。
対策以外にも、実際にそれをやめることでどれだけの効果があるかを再度見直しておきます。
いざ実行に移す段階で役に立つのでやっておきましょう。
手順④:実行に移す
ここまで準備が出来たら実行に移します。
関係者の了解を得て、実行に移しましょう。
途中、テストでは見えなかった問題も発生するかもしれませんが、一つ一つ対処しながら進めましょう。
最悪の場合、駄目でも元に戻せばいいのです。
業務効率化の抵抗する人への対処法
何かをやめようとする時に最も大きな障害となるのは「人」です。
抵抗する人には次の4つのパターンがあります。
「抵抗」の4つのパターン
- パターン①:その仕事にプライドを持っている
- パターン②:変えるのが嫌
- パターン③:すぐに「無理」と発言する
- パターン④:特に何も言わず陰でグチグチ言う
パターン①:その仕事にプライドを持っている
長い経験を持つほど増えるのがこのパターンです。
あまり効果の出ない仕事でも、これまでずっとやってきているのでその仕事を無くそうとすると、自分の存在が否定されたと感じてしまいます。
一度でもそう感じてしまうと、話すら聞いてくれなくなったりするので、注意してください。
一番注意しないといけないのはコレです。
注意
絶対に「無駄だから」なんて言い方をしないこと。
長い間やってきたことが「無駄」だったなんて言われて嬉しい人はいないでしょう。
自分の仕事を否定されるのはつらいです。
その仕事が無駄なのではなく、その人に「もっと力を発揮してもらう為にやめる」のだと理解してもらいましょう。
あなたが敵ではなく、その人の味方なのだと理解してもらいましょう。
パターン②:とにかく変えるのが嫌
とにかく変えることが嫌な人です。
それが良くても悪くても関係ありません。
こういった人は残念ながら簡単に変えることは出来ません。
変えていく事が重要だと日々話し続けて本人の意識を変えていくしかありません。
短期的には、その人の上司から指示・命令という形で変えさせるくらいしかありません。
あまり相手にするとこちらが消耗するだけなので、仁義だけ通して後はその人の上司に任せましょう。
上司が動いてくれない場合は、上司に話だけ通しておいて、本人には「上司の許可が出てます。何かあれば上司にも伝えてください。」と伝えましょう。
パターン③:すぐに「無理」と発言する
このタイプは一見、話を聞いてくれて協力的な雰囲気を持っていますが、その分厄介です。
一通り話を聞いた後にもっともらしい理由を付けて無理だと発言して話をつぶそうとします。
その理由も一理あるのでこちらがあきらめてしまいそうになります。
でも、実際には想定だけの話であったり、やってみないと分からなかったり、仮にその問題が起こるなら対処法はいくらでも思いつく場合がほとんどです。
にもかかわらず、確認したり試すことから逃げて「わからない=無理」と勝手に解釈しています。
このタイプの人間は非常に厄介ではありますが、頼んだことを無下に断るのも気が引けるタイプなので、対策は次のようになります。
- 「この部分だけでも試してみませんか?」
- 「その問題の部分はどうしたら解決できますか?」
このような小さく分けた個別具体的な質問を投げかけて一つずつ進めていきます。
1個ずつ丁寧に進めましょう。
もちろん、「そういうことを考えるのがあなたの仕事でしょ!?」とツッコミを入れたくもなります。
しかし、ここでへそを曲げられても面倒なので、丁寧に対応しましょう。
また、すぐに無理と言う人にお困りならはこちらの記事が参考になります。
パターン④:特に何も言わず陰でグチグチ言う
このタイプはほっときましょう。付き合っても良いことがありません。
ただし、対立はしないこと
文句言いたくなりますが、そこは我慢しましょう。
対立してしまうと、後でその人が「手伝ってもいいかな」と思った時にメンツが立たないので手伝ってくれません。
反対していたけど、周囲が賛成しているのが分かったときなど、そういう潮目が変わる時というのは結構あります。
あなたの目的はその人を責めることではなく業務効率化のはずですので、敵だろうが何だろうが協力してくれる人の力は借りれるようにしておきましょう。
私もこの考え方に到達するまで、かなり時間がかかりました。
陰でグチグチ言う人に付き合う必要もないし、それに影響されてしまうと自分にも良いことがありません。
適当にやり過ごしましょう。
人は障害にもなるが、大きな力を貸してくれる
ここまで、人の悪い部分にフォーカスしてしまいましたが、手を貸してくれる人もいます。
大きな仕事になるほど、他の人の力をいかに貸してもらえるかが重要になります。
あなたの普段の人柄や仕事への誠実さ次第で、敵・味方どちらになるかは大きく変わってきます。
日頃から周囲の人とはうまくやっておきましょう。
最後はあなたの意志の強さ次第
色々と書いてきましたが、周囲の抵抗があろうとも何が起ころうとも、あなた自身が「何が何でもやり遂げる」という意志を持っていれば何とかなります。
最初は周りが敵ばかりに思えるかもしれませんが、粘り強く続けているとだんだんと周囲も変わってきて、気が付けば味方だらけになります。
色々と疲れてしまうこともあるでしょうが、乗り越えてやり切った時に明らかにレベルアップしている自分に気づけます。
視野が広がってとても面白いですよ。
最後に
今回は、業務効率化の最も有効な方法、「やめる」について書きました。
「やめる」も含めて、これまでとやり方を「変える」のは抵抗にあったりして、とても大変です。
でも、こういったことを進めていかない限りは良くなりません。
「やめること」で業務効率を改善した経験を何度かすると、周囲の人もどんどん「やめること」、「変えること」のハードルが下がってきて、簡単に変えられるようになります。
ここまで行くのはとても長い道のりかもしれませんが、こうなるとどんどん面白くなっていきますよ。
最初は勇気と根気がいるかもしれませんが、ぜひやってみましょう!
やめたらやめたで、新しいことに挑戦しましょう!こちらの記事がおすすめです!
それでは、今日も一日ご安全に!