私のストックの安全講話ネタ集です。
安全講話のスピーチでのネタに困ったら参考にして頂ければと思います。
このネタ集を読む前に、まだの方はこちらの記事を読むのをお薦めします。
スピーチの作り方です。
目次
安全講話ネタ①:安全とは?
このお話では、「安全とは何か?を考え、どう向き合っていくべきか?」についてお話ししたいと思います。
皆さんは安全と言う言葉の意味をご存知でしょうか?当たり前すぎてあまり考えたことのない方も多いかもしれませんね。
私自身ちゃんと調べたことがなかったので、「安全」とはどういった意味を持つのかを調べてみました。
まずはそれぞれの字の意味を調べました。
まずは、「安」の字です。
「安」
字の意味
- 静か。穏やかで変わったことがない様(さま)
- ゆったりと落ち着いている様(さま)
字の成り立ち
- 「家の屋根・家屋の象形」と「両手をしなやかに重ねひざまずく女性の象形」から家の中で女性が「やすらぐ」・「やすらか」を意味する「安」という漢字が成り立ちました。
「全」の字です
「全」
字の意味
- すべて、本当に
- そなわっている、そろっている、傷がない、欠点がない、無事
- ととのえる、たもつ、完全に保持する
字の成り立ち
- 「入り口の象形」と「さしがね・工具」の象形から「倉庫などに工具を保管するところ」から転じて(派生して・新しい意味が分かれ出て)、「すべて」を意味する「全」という漢字が成り立ちました。
つまり「安」とは「安らかな事」、「全」とは「全て」を指します。
この2つの字が組み合わさると、「全く危険な状態がなく、安らかにいられる」となります。
しかし、現実的には全く危険の無い状態なんて現実的にはあり得ないですよね?
何もない平坦な地面で転ぶ人もいます。
でも、平坦な地面に対策をするのかというと現実的には不可能だと思います。
だから、自分たちのやれることをやるべき順番でやっていくのが良いと思います。
こういう考え方で、やるべきことをやることが、災害で苦しむ人や嫌な思いをする人を減らす、唯一で最良の方法なのではないでしょうか?
怪我をせず健康に働き続ける為に、まずは今日出来ること、やるべきことを進めていきましょう!
安全講話ネタ②:災害が発生した時の対処法
起こってはいけない災害ですが、もし起こってしまった時の対処法を皆さんに思い出してもらおうと思っています。
それによって、改めて怪我をしてはいけないなと感じてもらえたら幸いです。
皆さん災害を起こさない為に、日々取り組みをされていると思います。
しかし、もし起こってしまった場合の対処は万全でしょうか?
災害が発生した時は、1分1秒を争うこともあります。
そこで、対処法をしっかりと頭に入れておくことで、怪我の悪化や二次災害を防げます。
対処で覚えておくべきことは次のようなことがあります。
- 必要な物はどこにあるか?
- 誰に連絡するか?
- どこの病院に連れていくか?
- 伝える情報
- どんな応急処置をすればいいか?
必要な物はどこにあるか?
怪我が発生した時に応急処置をする為の道具はどこにあるでしょうか?
- AED
- 担架
- ガーゼ、消毒液など
- 休ませる場所
これらがどこにあって、常に使えるようになっているかを確認してみましょう。
いざという時に使えなかったら意味がありません。
特に交替職場の方は「昼間は使えるけど夜になったら使えない場所」などがないかも含めて確認するのが良いと思います。
誰に連絡するか?
誰が誰に連絡するかも見直しておきましょう。
基本的に上司に連絡することになると思いますが、気が動転して、忘れてしまったりもするので、忘れないような対策も取っておきましょう。
また、携帯電話の番号が変わっていないかの確認もしておきましょう。
連絡先やその他必要事項をまとめた紙を作って貼りだしておき、いざとなったらそれを見るのが良いと思います。
どこの病院に連れていくか?
これもいざとなったら迷わないで済むようにしておきましょう。
病院名、連絡先を先ほどの紙に一緒に書いておきましょう。
病院の連絡先、伝える情報
病院や救急に連絡する時は、気が動転している可能性が高いので、これも先ほどの紙に連絡内容を書いておきましょう。
- いつ起こったのか?
- どこで起こったのか?
- 症状は?
- 怪我した人の年齢は?
- 通報した人の名前と連絡先は?
病院側もプロなので、聞きたいことは聞いてくると思います。
ですので、そこまで心配いりませんが、先に内容を整理しておくと伝えやすくなります。
どんな応急処置をすればいいか?
これは怪我の内容によって千差万別ですので、ここではお話しできません。
しかし、各職場で起こりやすい症状について検討して、応急処置方法をまとめておくのも良いと思います。
以上のような形で、起こってはいけない災害ですが、もし起こってしまった時の対応方法をしっかりまとめておくとスムーズに処置が出来ます。
さらに、これを作ることで、改めて災害を起こしてはいけないという、意識の改善にもつながると思います。
ぜひ一度、各職場で話し合ってみてはいかがでしょうか?
安全講話ネタ③:災害を防ぐにはどうすれば良いのか?
このお話では、災害を防ぐ為にとるべき対策にどんなものがあって何に効果があるのかを説明します。
皆さんが、今どんな対策を取っていて、他にどんな対策を取るのが効果的を考えるきっかけに出来たらと思います。
災害が発生する2つの要因
まず、災害が発生するのは次の2つのどちらか、もしくは両方が起こった時に発生します。
- 不安全な行動
- 不安全な状態
「不安全な行動」は危険な行動のことで、回転体に手を突っ込んでしまったり、周囲を確認しないで動くことなどです。
人間が「不安全な行動」をとらなけれ、ば怪我をしません。
例え危険な場所にいたとしても、怪我をしない為にはどうすれば良いのか?という考え方です。
「不安全な状態」は危険な場所のことで、むき出しの刃物、滑りやすい足場などです。
「不安全な状態」が全くなければ、怪我をしません。
例え人間が危険な行動をとったとしても、怪我をしない為にはどうすれば良いのか?という考え方です。
もちろん、この両方ともが100%達成されることは現実的にあり得ません。
しかし、やれることはたくさんありますので、不安全な行動と状態を1つ1つ対策していくことになります。
「不安全な行動」への対策
不安全な「行動」と「状態」の2つを無くすことで、災害を未然に防ぐ対策になります。
不安全な行動を抑制する対策は次のようなものがあります。
- KYT(危険予知トレーニング):知識
- なぜ怪我をしてはいけないか?を考える:意識
- 無災害日数の掲示:意識
- 安全方針の設定:意識
- 怪我がどのように発生するのかを知る:知識
- 設備の何が危険かを知る:知識
これらの対策は一言で言うと、「知識」と「意識」に分かれます。
「KYT」や「怪我がどのように発生するのかを知ること」、「設備の何が危険かを知ること」で知識を増やし、何が不安全な行動になるのかを理解することが出来ます。
そして、各種「意識」の対策をすることで、不安全な行動をとらないようにします。
「不安全な状態」への対策
続いて、不安全な状態を抑制する対策は次のようなものがあります。
- リスクアセスメント
- 現場の細かい危険な箇所に対策する
この2つはやること自体は同じようなことで、要するに現場の危険な場所に対策をしていくものです。
リスクアセスメントで、全体をしっかりと評価しながらシステム的に対策をとります。
一方、滑りやすい所に滑り止めを貼ったり、ぶつけそうなところにクッションを貼るなどの、現場の細かい危険な箇所は気付いたものから進めていきます。
ここまで「不安全な行動」と「不安全な状態」で分けて解説してきました。
しかし、この2つで解説した対策は現実には行動と状態のどちらか片方だけに効果があるわけではありません。
「不安全な状態」を無くそうと対策を取ることで、「ケガをしてはいけないな」という意識も芽生え、不安全な行動をとらなくなります。
要するに、分類はざっくりと考えることは良いですが、深く考えすぎても混乱するだけです。
「自分たちが何をするか?」に重点を置きましょう。
そして、以上の対策のうち現在の自分の職場に足りないと思われる箇所を対策するのが良いと思います。
がむしゃらに対策を取るだけでは災害はなくせません。
例えば、対策を取ろうと、KYTを1日2時間やっても効果はないでしょう。
このように足りない部分がどこかを考えながら、自分たちに必要な対策を取っていくのが重要だと思います。
このお話を詳しくしているのはこちらの記事になります。
ネタ④:職場のあんぜんサイトをオススメする話
このお話では、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」の便利なところを紹介します。
皆さんが、このサイトを活用して少しでも安全に貢献できればと思います。
職場のあんぜんサイトへのリンクはこちら:職場のあんぜんサイトhttps://anzeninfo.mhlw.go.jp/
職場のあんぜんサイトのオススメポイント
オススメする理由には次のものがあります。
- ①死亡災害と死傷災害の統計や業種、月、都道府県、年齢など様々な分類で見れる
- ②業種や事故の型、設備など30項目での分析が見れる
- ③業種、事故の型、起因物、キーワードで検索が可能
- ④ヒヤリハット事例も見れる
- ⑤機械別の労働災害発生状況を見れる
色々見れるとは言っても、統計のデータは合計だけをみると、ピンとこないものです。
そこで、ある程度条件を絞ってあげると身近になりより理解しやすくなります。
例えば全体の死亡者数を見てもピンとこなくても、同じ業種となると、少し気になりますよね。
さらに、自分の普段使う機械で年間どれだけの死亡者がいるのかを見ていくと、ドキッとする事もあります。
これ以外にも、次のようなことも見れます。
- 事故の型別
- 何月頃に災害が多いのか
データの量は結構膨大なので、細かく見ようとしだすと大変です。
しかし、気になる部分だけに絞って見ていけば必要な情報を手に入れられます。
その他にも様々な分類があり、キーワードでの検索もできるので、自分たちに最もピンとくる情報をピックアップしてみましょう。
統計以外では、ヒヤリハットの事例集もあります。
事故の型別に分類してあるので、見たいものが探しやすくなっています。
イラストもあるので、KYTの資料に使っても良いと思います。
このように職場のあんぜんサイトはかなり優秀なサイトですので、ぜひ一度見てみてください。
そして、自分たちに関係ありそうな情報を選んで、職場の皆で共有してみてはいかがでしょうか?
職場のあんぜんサイトの活用の仕方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ネタ⑤:災害経験者なら体験談を伝える
このお話では、災害発生時の当事者にしかわからないリアルな話をします。
どんな嫌なことがあるかを伝えることで、皆さんが「災害っていやだな」と改めて思ってもらえれば幸いです。
もちろん、これは災害経験者しか話せません。
もし経験者なら、その時後悔したことを共有してみましょう。
次の流れで話しましょう。
- 流れ①:災害発生の経緯(簡単に)
- 流れ②:何が原因で怪我をしてしまったのか?
- 流れ③:その時感じたことは?
- 流れ④:私のような失敗をしないでほしいと伝える
この流れで話をすればきれいにまとまります。
流れ①:災害発生の経緯(簡単に)
まずは災害発生の経緯を簡単に伝えます。
ここは詳しく話しても伝わらないので、次のことをさらっと話せばOKです。
- いつ
- どこで
- 何をした
- 怪我の具合
例
2年前の5月に、回転しているコンベアベルトに手を突っ込んでしまい、左手を巻き込まれてしまいました。
怪我の程度としては、左手の人差し指と中指を骨折しました。
当時の状況は、生産中にコンベアベルトがずれてきたので、コンベアを動かしたまま修正をしようとしていました。
なかなか元の位置に戻らないので、思いっきり力を入れて手で戻そうとしたらコンベアベルトに巻き込まれてしまいました。
流れ②:何が原因で怪我をしてしまったのか?
なぜ怪我をしてしまったのかを話します。
例
コンベアベルトがずれてきたのはトラブルです。
トラブルが発生した時に自分一人で解決しようとして、怪我をしてしまいました。
しかも生産を止めるのが嫌で、本当ならコンベアを停止させて対処しますが、それを面倒くさがりました。
このようなことが起こって私は怪我をしました。
注意点としては、原因を周囲のせいにしてはいけないことです。
ここで自分以外のせいで怪我をした、と言ってしまうと「反省してないな」と思われ話を聞いてもらえなくなります。
もし本当に周囲に責任があったとしても、自分の悪かった部分だけを話しましょう。
目的は皆に話を聞いてもらって怪我をしないようにしてもらうことです。
流れ③:その時感じたことは?
ここで次のことを本人にしかわからない視点で話しましょう。
- どんな風に痛かったか
- 怪我したことで苦労したこと
- 周りにどんな迷惑をかけたか
例
実際の時間は数秒でしたが、指が巻き込まれてからコンベアベルトが止まるまでの間はとても長く感じられました。
直後は痛みは大したことありませんでしたが、だんだんひどくなり、その日の夜は眠れませんでした。
しばらくの間は怪我をした瞬間を夢に見ることもよくありました。
周囲の人は対策に追われているのに、発生させた張本人の自分は手を動かせないので何もできなかったのが非常につらかったです。
話はリアルな方が実感しやすいので良いです。
しかし、あまりにもリアルだと気分が悪くなる人もいるんので、ほどほどにしましょう。
流れ④:私のような失敗をしないでほしいと伝える
皆さんに自分の反省点を活かしてもらい、安全に過ごしてもらいたいことを伝えます。
例
私のようにならない為に、皆さんもトラブルが起こった時は、まずは周囲の人を呼んでください。
そして、機械は必ず止めてから作業しましょう。
こうすれば、私の怪我は防げました。
私はあの日以来、必ずこれを守ることにしています。
私の失敗談を聞いて、皆さんが怪我をせず安全に過ごせれば、幸いです。
ネタ⑥:安全ってうるさいなと感じる人へ
皆さんの中にも、「安全、安全ってうるさいな」と感じたことがある人もいるかもしれません。
今回はそこについて視点を変えて、私が「なるほどな」と思った話をします。
安全第一の名のもとに色々な対策をとっているかと思いますが、しばらくするとどうしても少し面倒に感じてしまうこともあると思います。
人間誰だって、怪我なんてしたくありませんが、ずっと高い意識を持ち続けるのはとても大変です。
しかしそこで油断していると災害は発生します。
だから、意識を高く強く持ち続ける為には、手を変え品を変え意識を持続させていかなくてはいけません。
そこで今回は「安全」を保つ意義について話をします。
私たちは、普段の仕事の中で「多少危険でもやっちまえ」と思うことがどうしてもあると思います。
危険のない方法がとても面倒な方法だったりするとなおさらです。
そして、自分だったらまあいいかと思ってしまいます。
しかし、その多少危険な作業を自分ではなく、自分の妻や子供がやるのだったらどうでしょうか?
話が変わってきますよね?
私だったら、自分の子供には絶対そんなことはさせません。
まずありえないです。
そして、もちろんあなただって誰かにとっての大切な人です。
あなたに対して「絶対に怪我なんてしてほしくない」と思っている人がいます。
だから、やっぱり安全ってとても大事なんだと思います。
大切な人を悲しませないために、自分が安全に過ごすという考え方もとても大事なのではないでしょうか?
以上が私の持っている安全講話のネタです。
他にも安全関係の記事を書いていますので、そちらもネタにつながるかもしれません。
ケガ無く安全に仕事しましょう!
それでは、今日も一日ご安全に!