
分かっちゃいるけど、いざ教えるとなると腰が重い。
どうしたらいいのだろうか?

ポイントをおさえれば解消できるよ!
ちなみに私も元「自分でやった方が早いマン」でした!
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 「自分でやった方が早い」とは?
- 自分でやり続けるとどうなるのか?
- 自分でやった方が早いを解消する2つの対策

「自分でやった方が早い」と考えて、なかなか人に教えられない人の指導も経験済みです。
自分でやった方が早い!と思ってしまう人のよくある悩みとして、「教えなきゃいけないのは分かっちゃいるんだけど、なかなか難しい…。」という点があると思います。
私自身、もともとは「自分でやった方が早い」の考え方にはわりと賛成派でした。
その方が仕事が早く進むからです。
周囲にも同じ考えの人が多く、疑問を抱くこともありませんでした。
しかしある時、現場の人に、「自分でやった方が早いのかもしれないけど、その分お前は本当にやるべきことが出来てないんじゃないか?」と言われたことがありました。
そこで、ハッとして気付きました。
これはもう10年ほど前の話ですが、それからは「どうやって自分でやるべきものでないことを自分でやらないようにするか?」を考えてきました。
周囲の人にも説明し、実践し続けました。
簡単なことではなかったですが、この積み重ねによって「自分でやった方が早い」への対処の仕方を見つけられました。
そこで、私が習得した「自分でやった方が早い」の対処法について解説しようと思います。
目次
「自分でやった方が早い」とは?
まずは言葉の定義です。
自分でやった方が早いとは?
本来であれば、部下や後輩が行うべき仕事を、いつまでも自分がやった方が早いと言って抱え込んでいる状態。
他の人の仕事というのは細かく知らない人も多いですが、よく観察してみると大なり小なりよく見られる光景です。
別の言い方をすれば「仕事を抱え込んでいる」とも言えます。
人によっては、本気で部下や後輩に任せずに自分でやった方が早くて良いと思っている人もいます。
実務が割とできる人に見られる傾向です。
ですが、どちらかと言うと「自分でやった方が早い」から教えないのではなく、「教えたくない」から「自分でやった方が早い」と言っていることがほとんどです。
ですので「自分でやった方が早い」ではなく、「教えたくない」と言い換えても良いでしょう。
そして、こうなってしまうのにはいくつかの原因があります。
「自分でやった方が早い」が起こる原因
「自分でやった方が早い」(=教えたくない)が発生する原因について考えていきます。
原因は、「教えたくない」>「教えないと」
「自分でやった方が早い」は、次の状態になっている時に起こります。
「教えたくない」>「教えないと」
要するに「教えないといけない」という気持ちよりも、「教えたくない」の方が大きい状態です。
実際の所、ほとんどの人は「教えないといけない」というのは頭では分かっています。
でも、忙しかったり、色々な理由で行動に移せない人が多いので、この状態になっています。
まさに、「わかっちゃいるけどなかなか出来ない」状態です。
これを、「教えないと」を大きくして、「教えたくない」を小さくしていくことができれば解決できるわけです。
まずは「教えたくない」についてもう少し深掘りしていきます。
教えたくない理由
人が教えたくないと思うのには次のような理由があります。
教えたくない理由
- 理由①:人に手間をかけさせるのが嫌
- 理由②:教える相手が気に入らない
- 理由③:忙しい
- 理由④:教えても得がない
- 理由⑤:教え方が分からない
- 理由⑥:仕事の中身がばれるのが嫌
それぞれ解説します。
理由①:人に手間をかけさせるのが嫌
まずは、人に仕事を頼んで、手間を掛けさせるのが嫌だという理由です。
次のようなものがあります。
- 人にお願いするのが気が引ける
- 頼むのがメンドクサイ
- 仕事を押し付けられたと思われるのがいや
- 気を使う
- 相手も忙しそう
まあ、わからんでもない理由です。
ですがこれを言い訳にしていても何も進みません。
後ほど、「自分でやった方が早い」を続けることの弊害について解説しますが、こんな言い訳してる場合じゃなくなります。
理由②:教える相手が気に入らない
意外とあるのがこれです。
- 何となく気に入らない
- 教わる態度が悪い
- 人の話を聞いていない
等があります。
人と人との事なので、どうしても相性の良い悪いはありますが、これも理由にはならないというのは薄々感づいていますよね。
理由③:忙しい
これはそのままの理由です。
教えないといけないのは分かっているけど、その時間を捻出できない(と思い込んでいる)のが理由です。
しかし、忙しいから教えないのであれば、いつまで経っても忙しいままですね。
理由④:教えても得がない
これには2つのパターンがあります。
1つ目は、苦労して教えても「評価されない」と思っているパターンです。
もしかしたら職場によっては、教えること単体では評価されないこともあるかもしれません。
でも、教えることでその仕事から抜け出し、新しい成果をあげる仕事を行うことができれば評価は必ず上がります。
もう一つは、教えることで「損をする」と思っているパターンです。
自分が教えることで、「この仕事は自分しかできない」が無くなってしまいます。
そうすると、自分の立ち位置が危うくなってしまうと思い込んでいるパターンです。
自分の立場を悪くするためにわざわざ人に教える人はいないでしょう。
これも、その仕事を他の人が出来るようにして、自分がもっと能力を生かせることをすればいいだけのことです。
そうすれば、立場が悪くなるどころか、とても良くなります。
理由⑤:教え方が分からない
単純に、どうやって教えたらいいのかが分からなくて、教えるのが億劫になってしまっています。
仕事の中身を頭の中で整理できていなかったり、感覚的な内容が多かったりすると教えるのがとても難しくなります。
これについては、後ほど対策を解説します。
理由⑥:仕事の中身がばれるのが嫌
これも2つのパターンがあります。
1つ目は、この仕事は自分しか知らないから、「本当なら1時間で出来るけど、半日かけてゆっくりやろう」といったものがばれてしまうからです。
クズの考え方ですね。
でも、その仕事を自分しか知らなければ、多かれ少なかれこういう気持ちになるのは仕方がない面もあります。
こういうことが出来ないようにする意味でも、仕事を1人に抱え込ませないというのは大事なことです。
もう一つは、教える時に「仕事の中身をあまり理解していない」ことがばれるのが嫌、というものです。
だったら今からでも理解すれば良い話ですね。
教える時に自分の理解が深まることも多いので、勇気を出して教えてしまえば何ともなかったりします。
「自分でやった方が早い」の弊害
では続いては、このまま「自分でやった方が早い」をやり続けたらどうなってしまうかを考えてみます。
これを考えることで、「自分でやった方が早い」の危険性を理解し、「教えないと」の気持ちを大きくしていきます。
自分でやり続けていると、次のようなことが起こります。
自分でやり続けると起こる弊害
- 弊害①:仕事が属人化してしまう
- 弊害②:新しい仕事に進めない
- 弊害③:下の世代が育たない
- 弊害④:評価が悪くなる
- 弊害⑤:人が離れていく
弊害①:仕事が属人化してしまう
その人だけしかその仕事が出来ない状態になってしまいます。
こうなると、その仕事が立て込んできた時にその人にどうしても仕事が集中してしまいます。
そうなると、負荷が増え有給すら取れないなんてことになります。
もし病気などで入院してしまったら、その仕事は完全に止まってしまいます。
もしくは、周囲の人が大変な苦労して何とかその仕事をこなすことになります。
いずれにせよ、周囲に与えるダメージは大きなものになります。
その他にも、その人にしかできない事により、生産性はその人の能力以上には上がらなくなります。
生産性を上げようとしても、他の人にはその仕事のやり方すらわからないので、どうしようもありません。
弊害②:新しい仕事に進めない
次は、その人がその仕事をする限り、必ずその分の時間を使わなければなりません。
「人に教えないといけない」と考えているということは、本来その人がやるべきでない仕事だというのは薄々感づいてると思います。
つまり、やるべきでない仕事に時間を取られているということであり、本来やるべきである仕事に手を付ける時間を削っているということです。
これを頭だけで理解していると「わかっちゃいるけど」となってしまいます。
でも、本来やるべき仕事をやっていないというのは、現場風に言えば次のようなことと同じです。
現場がトラブルでバタバタしている時に、書類整理をして知らん振りする
現場がトラブっているのにそれを無視して書類整理してるなんてあり得ないですよね?
でも「自分でやった方が早い」は、状況は違えど同じことをしているのです。
やるべきことを放り出して、自分がやるべきでないことをしているのですから。
「自分でやった方が早い」はこれと同じことだと、しっかりと腹に落としましょう。
絶対やってはダメなことです。
弊害③:下の世代が育たない
仕事を抱え込んでしまうと、部下が育たなくなってしまいます。
本来部下がやる仕事を代わりにやってしまうことで、部下が手に入れるはずの経験を奪っているのです。
その人にとっては大した経験ではないかもしれませんが、部下にとってはまた違います。
経験のない部下は育ちません。
そして、実は部下が育たなくなる理由は、もう一つあります。
自分がやるべき仕事を与えられないと部下が腐る
これは非常にやっかいで、部下に仕事が回らないと部下のやる気が落ちていきます。
部下は仕事を抱え込む人に対して「あまり役に立つとは思われていないんだな。」と思うようになります。
そして時間が経つと、「勝手に一人で頑張れば?」に変わっています。
しかも、下の世代の人々はこういう人を「仕事を猛烈にこなす仕事の出来る人」なんて思いません。
せいぜい、そう思っているのは本人くらいです。
そして、下の世代は「こういう風にはなりたくない」とも思っています。
一人で猛烈に仕事をこなす人はこうして孤立していくので、仕事が出来る人ほど注意してください。
弊害④:評価が悪くなる
部下からの評価が悪くなることは先ほど紹介しましたが、上司からの評価も悪くなります。
単純に「本来やるべき仕事」をしていないからです。
現場がトラブっている時に書類整理してる人を誰も評価しないです。
厳しい言い方になりますが、当然ですよね。
また最近では、評価が悪くても気にしない、給料さえ貰えればOK、という人も出て来ました。
こういう人の場合、評価は気にならないかもしれません。
しかし、評価が悪い人というのは将来的には何かのタイミングでその職場から追い出されます。
追い出されなかったとしても、非常に居づらくなります。
今は良いかもしれませんが、20年後に20歳も年下の人に馬鹿にされながら仕事するのはきついと思いませんか?
弊害⑤:人が離れていく
最後は人が離れていきます。
部下からも上司からも評価が悪くなっていき、最後はだれもその人に近寄らなくなります。
まあ、みんな金稼ぐために仕事しに来てるので、成果のあがらないことをずっと続けているような人とは関わりたくないですからね。
仕方ないでしょう。
以上のことをふまえて、「自分がやった方が早い」の危険性を理解できたのではないでしょうか?
自分がやってしまう仕事というのは、「楽しい」、「好き」の気持ちがあるのもわかります。
仕事してる感があって気持ちいいのも知っています。
でも、その代償はとても大きいことを知っておいてください。
だから、教えないとダメなのです。
「自分でやった方が早い」をやめるとどうなるのか?
逆に、「自分でやった方が早い」をやめて、「仕事を教えていく」を行っていくとどうなるかを考えてみます。
もちろん、最初は大変です。
仕事の要点を思ったように伝えられず、思い違いもあったり、余計に手間がかかります。
これだったら自分でやった方がどんなに楽か?と思うこともあるでしょう。
というか、そう思うことばかりでしょう。
それでも根気強く仕事を教えていくと次のようなメリットが出て来ます。
仕事を教えるメリット
- メリット①:仕事自体が洗練されていく
- メリット②:周囲が出来る人だらけになる
- メリット③:周囲に信頼される
- メリット④:大きな仕事が出来る
メリット①:仕事自体が洗練されていく
仕事というのはそのやり方が蓄積されていくものです。
経験した人が多い仕事ほど、多くの問題点が浮き彫りにされ、対処されています。
そういう風に対処されていくほど、その仕事自体がどんどんと洗練されていき、成果があがりやすくなるのです。
メリット②:周囲が出来る人だらけになる
もしあなたが仕事を教えることをどんどん実践していけば、どんどん仕事が洗練されていきます。
それと同時に、その仕事を行う人たちも洗練されていくのです。
部下たちはあなたの仕事を吸収することでどんどん成長していきます。
そして気が付けば、あなたの周りは出来る人だらけになっています。
メリット③:周囲に信頼される
仕事をちゃんと教えたことのある人ならわかると思いますが、仕事を教えるには教える相手を「コイツなら出来る」と、信頼する必要があります。
そうやって周囲の人を信頼し教育をしていけば、いつの間にかあなたも信頼されます。
しっかりと教える相手を信頼して仕事を教えていけば、相手も「仕事を押し付けられた」なんて感じることはありません。
むしろ、「成長するチャンスをくれる人」と思ってくれます。
逆に、教育に失敗する人ほど、何かあるとすぐに「あいつはダメだ」と言ってると思いませんか?
その通りなのです。
言ってしまえば、ダメなのは「教えている相手ではなく教えているその人」なのです。
メリット④:大きな仕事が出来る
最後のメリットは、大きな仕事が出来るようになることです。
周囲に信頼され、周囲は出来る人だらけ、こうなったらもう大きな仕事が出来ますね。
詳しく解説するまでもないでしょう。
以上のような形で、教えることで得られるメリットも理解できたかと思います。
ここまで読めば、「教えないと」と、「教えたくない」のうち、「教えないと」はかなり大きくなったかと思います。
続いては、「教えたくない」を小さくする方法を解説します。
「自分でやった方が早い」を解消する教育ツール
「教えたくない」の主な原因は、「教えるのがめんどくさい」です。
教え方が分からないので、どういう風に教えるかを考えたりしていると、どんどんめんどくさくなってしまいます。
そこで、教え方を次の方法で行えば、簡単に手っ取り早く行うことが出来ます。
一度このやり方を覚えてしまえば、かなり楽に教育できるようになります。
部下に次のような簡単なマニュアルを作ってもらいましょう。
簡易マニュアルの作り方
- 手順①:上記の様な枠線を作る(excelでも手書きでもOK)
- 手順②:仕事を説明し、部下に一つずつの動作を書いてもらう(必要ない部分は省略する)
- 手順③:その一つずつに注意点や細かいやり方などを説明して書いてもらう
- 手順④:チェックが必要な場合は、実際にやる時に一回あなたがチェックを入れる箇所も決めておく
これだけです。
書き方のコツ
- 「後で見返したときに思い出せる様に」を意識して詳細・注意点を書いておく
- 部下は書きながら突然手が止まる事があり、そこにポイントがある
- 完ペキを目指さない
この3つを意識しておけば、要点のまとまったマニュアルが作れます。
特に、最後の完ぺきを目指さないのは重要で、それは部下が仕事を覚えていく中で部下が行うことです。
自分が得た経験をもとに仕事を組み立ててもらいます。
だから、大体で良いのです。楽にいきましょう。
簡易マニュアルのメリット
- 相手と自分のレベルに合わせて文言を変えられる
- 一度この型を使えば、次も楽に教えられる
部下の能力に合わせて中身を省略できるので、時間をかけずに要点をまとめられます。
そして最も良いのが、一度やってしまえば次からも同じようにすれば簡単に教えられるようになることです。
同じ方法でやり方を説明していくだけです。
これを使えば、ちょっとやれる気がしてきませんか?
もちろん、これだけでは全ての教育が完了するわけではありません。
特に新人相手だと、これでは全く足らないです。
でも、それなりに経験のある相手に教える場合であれば、こんなちょっとしたマニュアルでもかなりの効果を発揮します。
だから、簡易マニュアルを使ってどんどん教えてしまいましょう!
もう一つ、教えるうえで重要なのは、教えるための「時間」です。
こちらも現実的にはとても重要な問題です。
こちらの記事が参考になりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
最後に
以上のようにして、「教えないと」を大きくし、「教えたくない」を小さくすることが出来ます。
これにより、仕事を教えることの重要性に再度気付けたのではないでしょうか?
ぜひこれを踏まえて、「自分でやった方が早い」を解消してしまいましょう。
もちろん、慣れないことをするのは大変です。
でも、未来のために頑張ってみましょう!
きっと「教える」の考え方が変わりますよ!
教育係になった時の心構えについてはこちらをどうぞ。
それでは、今日も一日ご安全に!