こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 5Sの清掃とは?(掃除との違い)
- 清掃をする目的
- 清掃の進め方とポイント
目次
5Sの清掃とは?掃除との違いは?
まずは「清掃」の意味を解説したいと思います。
清掃とは
汚れやゴミなどを掃除し、元の整理整頓されたきれいな状態に戻す
似た言葉で「掃除」があります。
「掃除」は「ただ単に汚れたところをきれいにする」という意味になります。
「清掃」と「掃除」の違いとしては、「清掃」は「掃除」することに加えて「整理整頓された状態に戻す」が追加されたイメージです。
また、「清掃」をするということは、元の整理整頓された状態から「なぜ崩れたのか?」を現物で確認するチャンスでもあります。
5Sの清掃の目的とは?
「掃除」ではなく「清掃」をするのには次の目的があります。
清掃の目的
整理整頓の目的を果たすのを支える
清掃は、整理整頓が崩れた部分を復旧するように支えます。
だから整理整頓の目的を達成するのを支えることが目的になります。
もう一度整理整頓の目的を確認します。
整理整頓の目的
- ①:作業効率を上げる
- ②:集中でき、深く考えられるようにする
解説は、「整理」と「整頓」で書いている内容なので、簡単にまとめておきます。
- 整理整頓が行うと余計なものや手間が減り、本質だけが残るのでその作業がかなりシンプルに見える
- すると、何をどう改善すればいいのかが簡単に見つけられるようになる
- そして、改善につなげられるようになる
これを支えるのが清掃の目的です。
5Sの清掃の効果
もう少し具体的な効果も解説します。
清掃をすることで、職場には次のような効果が出て来ます。
- 効果①:災害発生の抑制
- 効果②:異常を発見しやすくなる
- 効果③:会社の評価が上がる
それぞれ解説します。
5Sの清掃の効果①:災害発生の抑制
汚れによって災害が発生することがあります。
例えば、油汚れで足を滑らせて転倒してしまったりします。
その他にも、汚れがあることによって見るべきものが見えずに体をぶつけたり、操作を誤ってしまったりもします。
もちろん、それ以外にもさまざまな状況が考えられます。
しかし、「清掃」が行われていれば、防げる災害もたくさんあります。
5Sの清掃の効果②:異常を発見しやすくなる
続いては、「異常」が発見しやすくなることです。
清掃が行われていれば、設備が壊れたときの異常にも気づきやすくなります。
例えば、きれいな状態で油漏れが起これば、すぐに気付くことが出来ます。
計器類が汚れていれば、数値がおかしい時にも気付くことが出来ません。
5Sの清掃の効果③:工場見学で会社の評価が上がる
単純に、キレイな方が評判がよくなります。
工場がきれいなことによって、工場を見に来たお客さんは次のようなことを思います。
- しっかり管理出来ている工場だな
- 品質もしっかりしていそうだな
- 従業員の教育もしっかりしているだろうな
- 何か問題が発生してもすぐに対応してくれそうだな
こういった、会社にとってプラスになる評価をしてくれます。
「工場が出来る唯一の営業活動」とも言っている所もあるくらいなので、案外バカに出来ません。
単純に、汚い工場と比べたら誰だってきれいな工場の方が印象が良いですよね。
それは、お客さんもそうですし、そこで働く人も同じです。
「清掃」を行うことによって、以上のような効果を得ることが出来ます。
5Sの清掃を進める手順とポイント
具体的な進め方としては、次のようになります。
清掃を進める手順
- 手順①:清掃前の状態をじっくりと観察する
- 手順②:掃除+整理整頓をして、元の状態に戻す
- 手順③:いかに元の状態に戻しやすくするかを考える
5Sの清掃の手順①:清掃前の状態をじっくりと観察する
清掃で最も重要なのはこの部分です。
いきなり掃除を開始しません。
まずは、今の状態が元の状態と比べてどう変化しているのかをじっくりと観察します。
次のような視点で現場を見てみましょう。
- どこの部分がどんなふうに汚れているのか?
- 一部分なのか、全体的になのか?
- 物の置き方はどんなふうにズレているのか?
- なぜそうなってしまったのか?
こんな視点で現場を見てみると、色々なことを発見できます。
よく観察すると、実は設備にヒビが入っていてそこから油が漏れて汚れていた、なんてこともあります。
そして、こういった観察眼を鍛えることが5Sという改善活動の中でも、最も重要だと思います。
何が悪いかを理解できないと、改善のしようがありませんので重要です。
細かく細かく見ていくことで、観察眼を養いましょう。
5Sの清掃の手順②:掃除+整理整頓をして、元の状態に戻す
一通り観察したら、掃除をしてきれいにしていきます。
掃除をしている最中にも観察を怠らないでください。
掃除をすることで、最初に観察した時よりもさらに細かなことが見えて来ます。
また、次のような視点でも見てみましょう。
- ここが汚れているのは、モノが置かれているからではないか?
- モノが置かれているなら、それは本当に必要なモノなのか?
これらは、清掃をするなかで整理整頓も並行して行っている状態になります。
「整理整頓」の力を「清掃」のタイミングで発揮するというイメージです。
とにかく、掃除をすることをメインにするのではなく、改善する為の「観察」をメインにしていきましょう。
5Sの清掃の手順③:いかに元の状態に戻しやすくするかを考える
最後はいかに「掃除+整理整頓」を改善するか?です。
先ほどまでの「観察」で改善点を発見していると思います。
もちろん、一番いいのは掃除自体をしなくても良いようにすることです。
それは「清潔」で行うことなので、ここでは省略します。
(本来、5SはSを分けて行うものではないのですが、解説しやすいのでそうします。)
清潔の記事はこちらです。
「5S」は「改善活動」なので、同じことを同じようにやっているだけではダメです。
常に、「いかに良くするか?」を考えましょう。
楽にするでも良いですし、よりきれいにするでも良いです。
常に改善する為の方法を考え続けることが大事です。
以上のようにして清掃を行います。
ポイントをまとめておきます。
ポイント
- 現場の状態をしっかりと観察する
- なぜその状態になっているのかを考える
- 常に「いかに良くするか?」を考える
現場を目で見て、耳で聞いて、においを嗅いで、肌で感じて、何がどうなっているのかを理解しましょう。
「清掃」というのは言い方を変えれば、整理整頓がどれだけ上手に行われているかをチェックする手段です。
今までの自分のやってきた整理整頓がどうだったのかをチェックして、改善が必要な箇所はさらに改善していきましょう。
「情報」の清掃も基本的には同じです。
重要なのは、実際に何の情報がどう使われているのか?を現場を見て知ることです。
どんな情報がどういう風に使われているのかをチェックしましょう。
そして、必要に応じて対策を施しましょう。
最後に
5Sの3つ目の清掃はこれまで行った2Sのチェックポイントです。
今までの頑張りが実際に現場でどうなっているのかを観察しましょう。
いかに良い事を考えたと思っていても、現場で役に立っていなければ意味がありません。
「実際どうなのか?」を現地、現物、現実の3現主義で確認しましょう。
続きはこちらの記事になります。
それでは、今日も一日ご安全に!