改善

【改善提案事例集】5S項目別(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に解説

悩めるあなた
5Sの改善提案事例を知りたい…。改善ネタを見つけたい
現場マン
5Sの観点から見た25個の改善事例を紹介するよ!

きっと改善ネタは見つかるよ!

 

本記事の内容

  • 5Sの各「S」ごとの改善事例解説
  • 現場の机、工具置場、棚、ごみ箱、設備の操作盤の5種×5項目の改善事例
現場マン
この記事を書いている私(現場マン)は工場の現場に関わって10年以上が経ち、工場の様々な問題に対処してきました。

 

改善提案ネタに困っている人のよくある悩みとして、「5S関係で改善提案のネタを何か出せないか?」という点があると思います。

私も昔はネタに困っていて、ネタが見つけ出せないまま期限が近づいて、直前になって無理やり出して撃沈…。

みたいなことをよくやっていました。

5Sの事は知っていましたが、それがうまく改善提案のネタにつながらなかったのです。

 

しかし、年数を経ていくと段々とネタにつながるようになってきました。

これは経験によるものが大きいですが、参考事例を見れば理解できるものです。

そこで、今回は改善提案のネタにつなげる5Sの各「S」ごと(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の参考事例を紹介していきたいと思います。

 

5Sも含めた改善提案ネタの20個の観点の記事はこちらです。それぞれの観点をざっくりとまとめています。

もう工場の改善提案ネタに困らない!20の観点で必ず見つかる方法!

本記事は、20個の観点のうち「5S」の観点を詳しく解説したものになります。

 


「5S」の観点で見る5つの改善方法

 

 

まずは、改善提案事例を見る前に、5Sの各「S」でどんなことを考えるかの代表的なものを解説します。

これを先に知っておく事で、事例を見たときに自分の現場に当てはめやすくなります。

 

5Sの観点で見る5つの改善方法

  • ①整理:要らない物を捨てる
  • ②整頓:すぐ使えるようにする
  • ③清掃:元の状態に戻しやすい様にする
  • ④清潔:元の状態が崩れないようにする
  • ⑤ 躾:ルールを見直す

 

これらはそれぞれ5Sの各「S」の代表的な内容になります。

これらを具体的な事例に沿って解説していく事で、あなたの現場にも活用できるポイントをイメージしやすくしていきます。

 

5つの場所の改善提案事例

 

どの現場にもある次の5つの場所で5Sの改善提案の事例を紹介していきます。

 

 

それでは解説していきます。

 

改善事例①:現場の机

日報を置いたりする現場の机です。

 

パターン①要らない物を捨てる(整理)

まずは机の上や引き出しの中に普段ほとんど使わない物があったりしないでしょうか?

次のような要らない物の候補がありませんか?

 

  • 椅子
  • 複数の文房具
  • 年に数回しか使わないファイル
  • その他、作業に必要なものだけどほとんど使わない物

 

椅子については、まずそもそも必要でしょうか?

わざわざ椅子に座る必要がないのなら、椅子はなくても良いかもしれませんね。

 

しかし、椅子が無くなると今度は机が低く感じると思いますので、立ち作業用の机に変えてみるのもアリです。

こんなものもありますので、机自体の高さを考えてみましょう。

 

その他には、ボールペン、消しゴムなどの文房具類が複数入っていないでしょうか?

同じものが複数あっても仕方がないので、これを減らしてみるのもアリです

 

また、ファイルや作業に必要なものなども、実際はほとんど使わないのに机に置いてあるものなどがないかを見てみましょう。

引き出しの中身を全て一度出してチェックしていくのも良い方法です。

 

考えるのは、「わざわざ机に置いておく必要があるのか?」です。

 

他に置くものもなく、スペースにも余裕があるなら、置いてもいいでしょう。

要は優先順位の問題です。

必要な物、優先度の高いものから置いていきましょう。

 

パターン②:すぐ使えるようにする(整頓)

次はすぐに使えるように出来ないかを考えます。

使う時にすぐ見つかる、ワンタッチで使えるかどうかです。

考えるのは次のような事です。

 

  • そもそも引き出しに入れる必要はあるか?
  • ワンタッチで取り出せるか?
  • 探すのに迷わないか?

 

こういった事を考えます。

引き出しはどうしても一度引き出しを開けなければならないので、ワンタッチでは使えなくなってしまいます。

 

引き出しを外すまでいかなくとも、引き出しに入れるのは週に1回以下の頻度のものを入れる、といった形にするのもアリです。

また、中に何が入っているかが引き出しの外からでも分かる様にしておきましょう。

 

その他には、よく使うものを机の上に区画線を引いて置場を作ってしまうのもオススメです。

ボールぺン、消しゴム、伝票などを机の上に枠を作って置いてしまうのです。

机の上のどこに置くのが最も使いやすいかも考えて置場を決めましょう。

 

カテゴリごとに机の上に置場を作ってやれば、わかりやすくなって探す手間も省けます。

「よく使うものは全部机の上に置く」くらいの考え方をしてみましょう。

 

パターン③:元の状態に戻しやすい様にする(清掃)

続いては、一度使ったものを元の位置に戻しやすくする方法や、元のきれいな状態に簡単に戻す方法を考えます。

机の上であれば、区画線や表示をすることで何が元の状態かを分かるようにしておきましょう。

 

黄色の区画線は文房具、緑の区画線は工具のように、色分けするのも良いですね。

 

  

パターン④:元の状態が崩れないようにする(清潔)

ここでは、いかに元の状態が維持されるかを考えます。

机に引っ掛ける場所があるならこんなのを付けてぶら下げておくのもアリです。

 


 

  こういったものでつなげておけば、紛失も防げますし、手を離せば勝手に元の場所に戻るので良いですね。

大きめの物だったら、こういった物で天井から吊るすのもアリかもしれません。

 

 

パターン⑤:ルールを見直す(躾)

最後はルールを考えます。

 

例えば、文房具や伝票の補充はどうするか?などがあります。

物品の補充に関しては、発注カードを活用するのがオススメです。
(補充用の在庫が事務所などにある場合は、発注カード=物品補充の意味合いになります。)

 

発注カードはこちらの記事で詳しく書いています。

テンプレートもありますので活用してください。

【備品管理】発注カードのテンプレートと運用解説【ダウンロード可】

発注カード運用開始の準備で必要なモノを解説!【おすすめグッズ紹介】

 

 

以上のような形で机の5S改善を行います。

 

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改善事例②:工具置場

 

次は、工具置場です。

 

パターン①:要らない物を捨てる(整理)

まずは、使っていない工具を捨てましょう。

捨てるのに抵抗がある人は、とりあえずはどこか別の場所に不要工具として置いておきましょう

賛否両論あると思いますが、とにかく行動しなければ始まりません。

とりあえずでも、その場所から使わない物を取り去ります。

 

パターン②:すぐ使えるようにする(整頓)

次は、工具がすぐに使えるようになっているかを考えます。

 

まず出てくるのは、「工具箱」が本当に必要かどうかです。

 

現場持ち出し用として中身が決まっていればまだ良いですが、工具箱から取り出すだけでひと手間かかってしまいます。

壁に掛けたり、一つ一つの置場をはっきりとさせることで、すぐに使えるようにしていくのがオススメです。

よく見るこんなやつですね。

 

これで、持ち出した工具がどれか分かる様に、壁に工具のシルエットを付けておけばより分かりやすいですね。

 

持ち出しが多い場合は、ツールワゴンを購入するのもアリです。

 

 

 色々考えられるところはありますが、とにかく「便利に使える」ことを考えてみましょう。

普段から使っているのであれば、面倒くさいと思う所は何かしらあると思います。

 

パターン③:元の状態に戻しやすい様にする(清掃)

先ほどの壁に工具をかけてシルエットを付けるのが最もわかりやすいかと思います。

 

それ以外では、金属と燃えるゴミ用のゴミ箱をそれぞれ近くに設置すると良いでしょう。

後は、地味ですが、工具が汚れてしまった時に掃除する為のウエスやパーツクリーナーを一緒に置いておくのをオススメします。

 

 

パターン④:元の状態が崩れないようにする(清潔)

どうしても工具置場で作業をする場合は作業台が汚れがちです。

 

汚れ自体がカドに溜まりやすいので、そもそもカドの無い構造にすることなどを考えてみます。

他には、その置場でしか使わないのであれば、机の時と同様にリールを付けてしまうのもアリですね。

 


 

 

パターン⑤:ルールを見直す(躾)

工具は様々な人が使うので、管理方法をしっかりとしておかないとすぐに紛失してしまいます。

 

こんな感じの持ち出し中工具表を作るのをオススメします。

工具持ち出し者管理表
工具名持出者日付
スパナ15mm山口2/15
パイプレンチ300mm鈴木2/16
   

ラミネートして掲示しましょう。

 

毎回手書きでも良いですが、工具名を貼ったマグネットを用意して、工具に貼っておけば、書く手間もないので楽です。

使う人が決まっている場合は人の名前も同様にマグネットにしてしまいましょう。

 

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改善事例③:棚

続いては棚です。

 

パターン①:要らない物を捨てる(整理)

一度全てを棚から出してしまいましょう。

その上で、要らない物はどんどん処分しましょう。

 

捨てるのが抵抗あれば、不要物置場を別に作ってしばらく置いておきましょう。

時間が経てばいらない物だと思えるようになるのでそれまで待ちましょう。

 

もちろん、すぐに捨てられるのであればそれがベストです。

 

パターン②:すぐ使えるようにする(整頓)

一度棚から出したら、次はよく使うものを最も取り出しやすい所に持ってきます。

置場の表示もすれば、どこに何があるかもわかりやすくなります。

 

細かいものを入れている引き出しもあるかもしれません。

その場合は、透明のタッパーなどに入れるのもアリです。

もしくは、引き出しに何が入っているのかを表示させましょう。

 

 

パターン③:元の状態に戻しやすい様にする(清掃)

置場の表示、区画線などで置場がどこなのかがすぐにはっきりと分かる様にしましょう。

 

区画線は置いている物の種類によって色分けするとより分かりやすくなります。

黄色、緑、赤等のテープを使用しましょう。

 

この手のテープを使用してみましょう。

細いテープがあるとより良いですね。

ちなみに、どちらのテープも時間が経ってはがれたときはベチャベチャになりますので、溶剤で掃除でない場所はやめておきましょう。

 

 

 

パターン④:元の状態が崩れないようにする(清潔)

整頓の時と同じで、使いやすく、戻しやすく置場を決めることを重点的に考えましょう。

 

どうしても戻すのが大変だと、適当に近くに置いたりしてしまう様になります。

もちろん、それは「躾」が出来ていれば起こらないはずですが、それでも、面倒なのには変わりません。

いちいち頑張らないと守れないルールというのは悪いルールですので、守りやすいルールにしましょう。

 

パターン⑤:ルールを見直す(躾)

棚の備品の発注ルールがしっかりと決まっているでしょうか?

 

いちいち発注するものの品番とかを調べたりする必要が無い様に出来ているでしょうか?

この辺は発注カードの記事で全部解決できます。

【備品管理】発注カードのテンプレートと運用解説【ダウンロード可】

 

発注カード運用開始の準備で必要なモノを解説!【おすすめグッズ紹介】

 

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改善事例④:ゴミ箱

 

次は、ゴミ箱です。

ゴミ箱はただバケツを置けばいいと思いがちですが、5Sの目で見ると次のようなことが色々出てきます。

 

  • 分別は?
  • 「いっぱい」とはどれ位になった時を言うの?
  • 「いっぱい」になったらどうするの?

 

パターン①:要らない物を捨てる(整理)

不必要にたくさんゴミ箱が並んでいたりするのであれば、撤去しましょう。

 

パターン②:すぐ使えるようにする(整頓)

ゴミ箱の色を変えたり、色付きのテープを貼ったりする事で、燃えるゴミなのか、プラスチックなのか等を見分ける事が出来ます。

 

ゴミ箱はフタがついているものがありますが、捨てるゴミの内容によって、フタ無しにしてしまいましょう。

フタを開ける手間の削減です。

 

 

パターン③:元の状態に戻しやすい様にする(清掃)

ゴミが溜まったらどの時点でゴミ出しに行くのかわかるようにしましょう。

 

テープで上限ラインを見えるようにしても良いかもしれません。

その他にも、ゴミを出しやすい様に内袋を用意する、取っ手の付いたゴミ箱にするなども良いですね。

 

パターン④:元の状態が崩れないようにする(清潔)

ゴミ箱周辺は周囲が汚れやすくなります。

ですので、ゴミ箱の下にビニールシートを敷いておくとか、汚れが抑えられる方法を考えてみましょう。

 

パターン⑤:ルールを見直す(躾)

誰が、いつ、どこへ持っていくのか?をしっかりと決めましょう。

 

「いっぱいになったら気付いた人が」というのが良いですが、それでゴミ箱が溢れていたりするならしっかりと決めないといけません。

そういう所から徹底が必要なのは非常に残念ですが、仕方がないとあきらめましょう。

 

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改善事例⑤:設備の操作盤

最後はイチオシの場所です。

操作盤は誤操作すると、それなりの損失が発生してしまいます。

普段はしないでしょうが、急停止させてしまうと壊れる設備もあると思います。

だから、ロス削減の観点から見ても誤操作防止や使いやすくする事はとても重要です。

 

パターン①:要らない物を捨てる(整理)

もし使っていない操作盤があれば撤去しましょう。

 

他には、操作盤の中にも使っていないボタンがあるかと思います。

そういったボタンはカバーを付けて「不使用」の表示をしてしまいましょう。

 

パターン②:すぐ使えるようにする(整頓)

押したつもりが押せてなかったり、押しにくいボタンもあるかと思います。

そういったボタンは別の種類のものに変えてもらいましょう。

電気に詳しい人に聞けば、すぐわかると思います。

 

ボタンの役割ごとに、ボタンの周辺を色分けするのも良いですね。

 

例えば、Aの部分を操作する(複数の)ボタンの周囲を黄色のテープで囲って、Bの部分のボタンは青色で囲う、のようなイメージです。

 

ぱっと見で判別できるようになるので、ポカヨケにもなります。

ただし、ボタン自体の色は色によって運転・停止等の意味を持たせているので、ボタンの色を変えるのは注意が必要です。

 

その他には、非常停止ボタンが通常と同じ形の物だったら、キノコ型に変更するのも良いかもしれません。

いざという時に「押せてなかった」では、死んでしまうことすらあります。

 

  

パターン③:元の状態に戻しやすい様にする(清掃)

操作盤でいうと、通常状態がよく分かる様にしておくのも良いでしょう。

 

圧力やアンペア表示の所に、正常時の値がどれくらいかを分かる様にしておきます。

色もあるので、「正常時」の表示は緑、「ここをこえたら異常」の表示は赤を付けてみましょう。


 

 

パターン④:元の状態が崩れないようにする(清潔)

ここでも清掃と同様に、異常に気付きやすくしましょう。

先ほどのステッカーを貼るのも良いですし、正常ではないと感じたときの対処方法を記しておくのも良いでしょう。

 

その他にも生産条件などを前回や標準条件とのとの違いを簡単に比較できるようにする事などもアリです。

 

要は、異常になる前の段階の「予兆」のうちに見つけ出すことで、トラブルを未然に防ぐのです。

この考え方を持っておけば、異常が起きてグチャグチャになるのをある程度は防ぐ事が出来ます。

全部防ぐのはさすがに難しいですからね…。

 

パターン⑤:ルールを見直す(躾)

生産条件、メンテナンス等、ルールを決めておけば楽になる事はたくさんあります。

 

生産条件を見直す事でもっとロスを押さえることはできないか?

メンテナンスは今の頻度は多いのか少ないのか?

 

といったことを考えてみます。

もちろん、この辺は設備によって千差万別なので、思い当たる事があれば考えてみましょう。

 

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最後に

 

以上のように、5Sの観点から見て、やれる事というのはいくらでも出て来ます。

何となくネタを探している時は気が付きにくくても、具体的に場所を指定して考えると、ネタはいくらでも降ってきたのではないでしょうか?

 

今、この記事を読んで思いついたことをメモしておけば、しばらくネタに困る事はないでしょう。

しかし、5Sの観点はどうしても小さいネタが多くなりがちなので、これだけだと正直ショボくなってしまいます。

 

だから、5Sの観点でネタを増やして時間を稼いで、その間に大きなネタの準備をする、というのが私のオススメのやり方です。

日々、色々な改善をしていかなければならないので、大変だとは思いますが、お互い頑張っていきましょう!

 

5Sに関してもっと知りたければこちらの記事をどうぞ。

5Sの重要性がわかる「5Sの5つのステージ」を知る【5Sとは?】

 

5S活動そのものが「無駄」な活動になってませんか?【原因と対策】

 

 

それでは、今日も一日ご安全に!

 

 

 

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