こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 整理とは?
- 整理をする目的
- 整理の進め方とポイント
当然5Sについても深く取り組んできました。
5Sの「整理」はただ単に片付ければいい、というものではありません。
しかし、目的とポイントさえつかめば効果的な整理を行えるようになります。
今回は整理について解説します。
目次
5Sの整理とは?
まずは「整理」の意味を解説したいと思います。
整理とは
必要なものと必要でないものを分け、必要なものだけを残す
5Sの整理の目的とは?
そして、整理をするのには目的があります。
この目的を知っているかいないかで先々大きく変わってくるので、しっかりと頭に入れておいてください。
整理をする目的
不必要なものをなくすことで、
- ①:作業効率を上げる
- ②:集中できるようにする
- ③:頭の中も整理し、深く考えられるようにする
順に解説します。
5Sの整理の目的①:作業効率を上げる
これは単純に余計な物がなくなることで、探す時間、迷う時間が減って作業性が上がります。
効率が上がりますが、基本的にはちょっと良くなるといった程度です。
例えるなら、勉強机の上に余計な物が置いてあると、教科書やノートが開きにくくて勉強しづらい、です。
こんな程度なので、ここだけを目的にしていると、途中で「あんまり効果ないよね」となって行きづまります。
他の目的を知っておく必要があります。
5Sの整理の目的②:集中できるようにする
人間、余計なものがあるとどうしてもそちらが気になって作業に集中できなくなります。
先ほどの勉強でたとえれば、勉強机にスマホや漫画が置いてあるようなものです。
手に取らなくても、スマホや漫画がチラチラと目に入ってしまい、それだけで集中を妨げてしまいます。
だからしっかりと不要なものをなくして集中できるようにしましょう。
これも大して大きな効果ではないですが、作業性が向上します。
ちなみに、私もこの記事を書いてるいま、スマホを見えないところに置いて集中できるようにしています。
5Sの整理の目的③:頭の中も整理し、深く考えられるようにする
これが最も重要です。
必要なものだけになって、集中できると、頭の中からも余計なものがなくなり、より深く考えられるようになります。
集中が進み、精神が研ぎ澄まされていく感覚です。
武術の道場で掃除をしますが、これも同じ効果です。
この状態になることで、その作業の改善方法を深く考えられるようになります。
もちろん、不要なものを捨てた程度ではその状態には到達できませんが、その為の第一歩になります。
これが出来るようになることによって、ステージ3(仕組み改善)以上の高度な5Sも行えるようになります。
5Sのステージについてはこちらで解説しています。
以上のような目的があることを知ったうえで整理を行っていきます。
5Sの整理を進める手順とポイント
具体的な進め方としては、次のようになります。
整理を進める手順
- 手順①:何をするのかを知る
- 手順②:場所、範囲、参加者を決める
- 手順③:要不要の判断基準を作る
- 手順④:不要なものを処分する
- 手順⑤:必要なものも一度全てどかす
5Sの整理の手順①:何をするのかを知る
何事もそうですが、まずは整理をするには何をする必要があるのかを知りましょう。
それについては、この記事を読めば大丈夫です。
この記事でこれまで解説してきた「5Sの整理をする目的」を理解することもこれに含まれます。
5Sの整理の手順②:場所、範囲、参加者を決める
今回整理をする場所、範囲、参加者を決めます。
欲張って範囲を広くするのはやめましょう。
大変すぎて継続するのが嫌になるので、「これくらいなら」と思う範囲を設定しましょう。
まずは棚一つでも良いのです。
あまりにも早く終われば、別の場所もやればいいだけです。
また、参加者には要不要の判断を行う責任者も入れましょう。
廃棄しても良いかどうかを最終的に決断する人が参加すると、効率が桁違いに上がります。
逆に言えば、捨てるかどうかは、それだけ判断に困ることが多いということでもあります。
5Sの整理の手順③:要不要の判断基準を作る
ここが重要です。
要不要の判断は思っているよりも大変なものです。
パッと見必要ないと思うものでも、捨てるとなるとどうしても躊躇してしまうものです。
こういうものが次から次へと出てきて、これが意外としんどいのです。
だから、ある程度の判断基準を作っておくと非常に楽になります。
判断基準の例
- ①必要な物→残す
- ②不必要で5000円以内のもの→捨てる
- ③不必要で高価なもの→廃棄予定品置場へ
- ④よくわからないもの→判断待ち置場へ
このように、高価なものやよくわからないものを置いておく場所を作る事で格段にスムーズに進められるようになります。
よくわからないものには、次のことを書いた札やメモ紙を付けておきましょう。
- いつまでに
- 誰が
- どうするか
また、処分を判断する金額は部署によって異なるので、自分の部署に合う金額を設定してください。
上司に相談しましょう。
5Sの整理の手順④:不要なものを処分する
ここからは実際にものを動かしていきます。
とにかく「不要なもの」、「よくわからないもの」をどかしていきます。
不要なものはそのまま処分しましょう。
想像よりも不要なものがいっぱい出てくると思います。
軍手、マスクをつけましょう。
5Sの整理の手順⑤:必要なものも一度全てどかす
不要なものを処分したら、今度は残った必要なものも一度全てどかしましょう。
置場の表示等もこのタイミングで全てはがしてしまいましょう。
ゴミやホコリも溜まっていると思いますので、しっかりと掃除してきれいにしましょう。
以上で「整理」が終了です。
ポイントを3つまとめておきます。
ポイント
- 責任者(判断できる人)に参加してもらう
- 判断に困るものは別の置場に置く
- 判断待ち置場には「いつまでに、誰が、どうするのか?」を表示する
ここから先は、必要なものを戻していきます。
戻していくのは、「整頓」の考え方を使います。
配置の仕方を考えます。
整頓はこちらから。
今回は棚などの「物」について説明していきましたが、「情報」の整理も基本的には同じです。
結局重要なのは必要か不必要かの判断です。
必要な情報が何かをしっかりと考え、不要な情報は抜いていきましょう。
もちろん、必要な情報まで奪ってしまわないように十分注意しましょう。
最後に
整理は5Sの始まりです。
見た目を整えることだけが目的にならないように注意しましょう。
5Sの目的は「改善する事」だとしっかり認識しましょう。
5Sがしっかりできれば現場は驚くほど変わります。
上っ面の5Sでなく、本質を突いた5Sを行っていきましょう。
続いては整頓です。
それでは、今日も一日ご安全に!