イライラしてしまう…。
どうしたら指示待ち人間じゃなくなってくれるのだろうか?
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 「指示待ち人間」とは?
- 「指示待ち人間」になる原因
- 「指示待ち人間」の解消方法
- 「指示待ち人間」がいないメリット
部下や後輩を持った時のよくある悩みとして、「指示待ちで自分で考えてくれない」という点があると思います。
この悩みはイライラするだけでなく、仕事の進みが悪くなってしまいます。
そうなると、成果はあがらなくなり、周囲もイライラして、自分も部下も成長できず、会社組織にも大きなデメリットが発生します。
そのころから「指示待ち」について色々と考えるようになりました。
そうすると、対処法が段々と理解できるようになり、今では指示待ち人間を自分で考えて動く人間に変えられるようになりました。
そこで、今回の記事では私が見つけたポイントを解説しようと思います。
目次
指示待ち人間とは?その特徴や原因は?
まずは、指示待ち人間とはどんな人で、どうしてそうなってしまうのかを考えていきます。
指示待ち人間とは?
指示待ち人間とは次のような人間のことを言います。
指示待ち人間とは
指示待ち人間とは、誰かに指示されたこと以外は実行しない人間のこと。
指示をされない限りは実行せず、指示されるのを待つ人間。
多くの場合が思考停止しており、考えればわかることを考えないことで問題を発生させている。
このように、言われたことだけをやってその場をしのごうとする人のことを指示待ち人間といいます。
具体例を挙げてみます。
「これを会議用に10部コピーしてください。」
指示待ち人間でない人は、10部コピーし、1部ずつクリップで留めたり、会議室に持っていったりと、どうして欲しいのかを考えます。
指示待ち人間はこの指示に対して、言葉通り10部コピー「だけ」して渡します。
クリップ留めもせず、ただ単に10部コピーしたものを渡すだけです。
「ちょっとはこっちのことを考えてくれよ!」ってイライラしてしまいますよね。
この2つの違いは、相手がどんな行動を求めているかを「考えているか」どうかです。
指示待ち人間と呼ばれる人は言われたことだけをしているので、指示に対して考える事をしていません。
では、なぜこのようになってしまうのでしょうか?
あなたがこの記事を読んでいるということは多かれ少なかれ周囲に指示待ち人間がいるのだと思います。
そして、その人は次のどれかに当てはまる人なのではないでしょうか?
指示待ち人間の特徴
- 具体的にどうしていいかわからない
- 自分で考えて動くのが損だと思っている
- そもそも考えないでいいと思っている
- 何かあった時に自分の責任になるのが嫌
- そもそも働くのが嫌
- 委縮している
指示待ち人間と呼ばれてしまう人は、このどれかに当てはまっていて自分で「考えること」をしていません。
つまり、指示待ち人間になってしまう原因は「自分で考えることを放棄していること」です。
また、仮に考えていたとしても、行動に移せていなければ、それも同じです。
しかし、この指示待ち人間というのは指示を待つ人間が悪いのでしょうか?
「考えない」のは能力の問題なのでしょうか?
指示待ちとは「認識のズレ」である
個人の能力を考える前に「指示待ち」を俯瞰した視点でとらえてみます。
「指示待ち」と思ってしまうのは、その人の能力だと思いがちですが、実際には「認識のズレ」です。
例えば、ある仕事を教える時に、
(言われたことをやろう!)
こういった状態のときに、部下を指示待ちとは考えないですよね。
指示待ちと感じるのは次のような時です。
(そろそろ言われなくても自分で考えて動いてほしいんだけどな)
(言われたことをやろう!)
このように、あなたと部下の認識にズレがあった時に「指示待ち」は発生するのです。
もちろん、そのレベルの事も考えられないの!?といった程度の問題や、常識レベルの問題もあります。
ですが、いずれにせよ認識のズレによって発生しています。
だから、指示待ちというのは認識のズレを解消すると発生しなくなるので、これを解消すれば解決できるわけです。
指示待ち人間は「考えない」を選択している
しかし、この認識のズレを認識したとしても、具体的に行動が変わってもらわない限り何の意味もないですよね。
こちらは考えて行動してもらいたいのに、考えてくれないのが問題なのですから。
では、なぜ自分で考えて行動しないのか?を考えてみましょう。
指示待ち人間に対して、多くの人は考えることが出来ない「能力の低い人」という捉え方をしてしまいます。
しかし、現実にはそんな人はいません。
考えられない人間なんていない
「私は自分で考えて行動できません」と言ってしまう人もいますが、実際にはそんなわけありません。
仕事では考えて行動できなくても、趣味や私生活では自分で考えて行動しているわけです。
だから、考えて行動することが出来ないのではなく、仕事では「考えない」を選択しているのです。
指示待ち人間が「考えない」を選択してしまう3つのパターン
指示待ち人間が「考えない」ことを選択するのには3つのパターンがあります。
考えない事を選択する3つのパターン
- パターン①:考える必要が無いと思っている
- パターン②:考えることが出来ない
- パターン③:考えたくない
パターン①:考えなくていいと思っている
その仕事自体を自分で考えなくていいと思い込んでいます。
出来る出来ないでなく、「しなくていいと」思っている状態です。
例
何かを頼んだ時に、「えっ?それ私がやるんですか?」といった発言、表情がある。
言われたことだけやってればそれで何の問題もないと思っているので、本人としては何が問題なのかもわかりません。
あなたの微妙な反応を見て、「何がいけないの?」と思っている可能性すらあります。
パターン②:考えることが出来ない
これは、考えたくても考えることが出来ない状態です。
「考えないといけない」ということは認識していますが、現実的な様々な問題によって考えることが出来ません。
これには、次の2つの側面があります。
- スキルの不足(単純にその仕事を知らない、出来ない)
- 不都合がある(それをすると同僚から悪く言われるなど)
現実的に問題があって「出来ない」ので、「考えない」を選択せざるを得ません。
例
- 仕事のやり方を知らない
- 上司は右に行け、さらに上の上司は左に行けといった相反する指示
- 時間がない
- 他の人に裏で色々言われる
パターン③:考えたくない
考えることを選択する意識もあるし考えることも出来るけれど、本人の意思として「考えたくない」のがこのパターンです。
確かに話に筋は通っているけれど、あの人に言われるのが嫌だからしない。
あの人にはあまり関わりたくないから適当に言われたことだけやっておく。
個人的な好き嫌い(本当はあってはいけないんですが…)や、高圧的な態度を取る人や嫌な言い方をする人などに、できるだけ関わらない為にこの選択をしています。
私自身も非常に嫌味な人に対しては「ここまでやる義理はない」と思い、可能な限り接しなくても済むようにしています。
これも現実には結構あるかと思います。
指示待ち人間に「考える」を選択してもらう方法
以上のようなパターンで「考えない」を選択している人に、自分で考える事を選択してもらう解決方法は、「コミュニケーションをとる」になります。
手順としては次の3つです。
指示待ち解決の3つの手順
- 手順①:部下がどの「考えない」パターンなのかを確認する
- 手順②:問題点を認識する
- 手順③:問題に対処する
手順①:部下がどの「考えない」パターンなのかを確認する
先ほどの3つのパターンのどれに当たるのかを確認します。
普段の状態から、すでにわかっているのであれば飛ばしてOKです。
分からない場合は、直接話をして確認しましょう。
次のようにやってみましょう。
このように問いかけて部下の反応をから3つのパターンのどれに該当するかを確認します。
考えないを選択する3つのパターン
- 1.考えなくていいと思っている
- 2.考えることが出来ない
- 3.考えたくない
手順②:問題点を認識する
どのパターンかが分かったら、次はパターン別に問題点を認識していきます。
パターン①:考えなくていいと思っている場合
このパターンの部下は、「考える必要がないと思っていること」が問題です。
パターン②:考える事が出来ない場合
このパターンの場合は、部下も考える必要性は感じています。
先ほどの質問をした時の反応で問題点が分かります。
とか、
といった返答があるはずです。
しかし、言いづらい内容の場合などは、必ずしも問題点を指摘してくれないこともあります。
もしくは、あなた自身に問題点を伝える価値が無いと思われている場合も指摘してくれないでしょう。
内容によっては、そんな小さなことで…と思う事もあるかもしれません。
でも、立場が変われば見える問題の大きさも変わるので、しっかりと問題点として認識しましょう。
また、問題点が認識できなければ対策が取れませんので、しっかりと聞き出すか察してあげましょう。
パターン③:考えたくない場合
このパターンは基本的に感情がこじれている状態なので、厄介です。
とはいえ、仕事ですのでやってもらわなければならない事はやってもらうしかありません。
態度がそっけない、質問にいつまで経っても答えない、などの時があります。
その場合は、おそらくあなたとソリが合わないのでしょう。
ソリが合わない場合も問題点として認識しましょう。
手順③:問題に対処する
問題に対処します。
問題に対処しない限りは部下は考えるようになりませんのでしっかりと行ないましょう。
パターン①:考えなくていいと思っている場合
考えないでいいと思っている場合は、「考える」ことも仕事に含まれているということを理解してもらいましょう。
ここからここまでがあなたの役割の範囲です。
このように伝えましょう。
もしかすると、会話の中で、「えっ!そのレベル!?」という低い意識の話が出てくるかもしれません。
しかし、本人の中では当たり前に思っていることなので、呆れずにしっかりと話をしましょう。
そうしない限りいつまでも変わりませんので、しっかりと役割・認識を共有しましょう。
パターン②:考える事が出来ない場合
具体的に考えられない理由が、仕事のやり方の問題なのか、経験の問題なのかなど、色々と理由がありますが、一つずつ対処します。
対策はその問題点によるので具体的なこと言えませんが、おそらく問題点さえ認識できればあなたなら対処できると思います。
何にせよ、問題点をつぶしてあげられない限り、自分で「考える」という選択をしてもらえませんので、しっかりと対処しましょう。
パターン③:考えたくない場合
「出来るけどやらない」状態なので、基本的には部下のやる気の問題です。
「やる気」なんて個人で何とかするものだという意見もわかりますが、それで進まないから現状になっているわけなので、対処します。
結論から言うと、部下を「その気」にさせます。
本人が「まぁ、やってもいいかな」と思うようになればこのパターンは解決なのです。
具体的には、「軽くヨイショしてあげる」のが効果的です。
こんな感じで、部下を「認めているんですよ」と言うのを暗に伝えてください。
なんでこっちがそんな事までしなくちゃならないんだ!?と思うかもしれませんが、それは今のままではメリットがないからです。
現状を打開するのが目的なので、部下にゴマするわけでもありませんし、問題に対処する為の一つの方法なだけです。
とはいえ、めっちゃ効果あるので、オススメですよ!効果がすごいので、わたしはもうこのやり方は手放せなくなりました。
考える選択をしてもらう上でのコミュニケーションで大切な3つのポイント
どのパターンにも共通する、コミュニケーションで大切なテクニックを3つ紹介します。
大切な3つのポイント
- ポイント①:何のために考えて行動するのか?を認識してもらう
- ポイント②:しっかりとホメる
- ポイント③:失敗した時の対処
ポイント①:何の為に考えて行動するのか?を認識してもらう
最も重要です。
- 「考えて行動すれば、こんないいことがある」
- 「考えて行動するのがあなたの役割で、それが出来るとこのようになる」
- 「考えて行動するのを求めているのであって、それが出来ないと…。」
といったことを説明してあげましょう。
結局、この部分をおろそかにして具体的なやり方ばかりを説明しても効果は望めません。
「特に意味はないけど穴を掘ってそれを埋めてください。」と言われてもやる気にならないですよね?
それと同じで、人は理由がないと動かないので、しっかりと説明してあげましょう。
ポイント②:しっかりとホメる
これも重要です。
先ほども少し書きましたが、ホメることで効果は倍増します。
人間関係がスムーズになるし、本人が「その気」になるかどうかです。
「さすが!」
「素晴らしい!」
などと、部下の行動をホメてあげましょう。
最初はこっぱずかしくて嫌かもしれませんが、最初だけです。
やってみるとこちらの気分まで良くなるし、効果を実感したら手放せないテクニックになります。
だから、ホメてあげましょう!
仕事人生で最も重要なスキルかもしれませんよ。
ポイント③:失敗した時の対処
部下が自分で考えるようになると、必ず失敗する時が訪れます。
そんな時は、失敗したことは叱るにしても、考えて行動したことに対しては必ず評価してあげましょう。
もし、全部ひっくるめて叱ってしまうと、次から「考える」ことをやめて元に戻ってしまいます。
しかも、「もう二度と自分で考えない!」という強い決意もくっついてきます。
「あの部分は失敗だったけど、自分で考えてくれたことはGOODだったよ!」と伝えましょう。
失敗は失敗なんだから、叱るのは当然という気持ちもわからなくはないですが、考えたことで着実に成長しているというのも事実です。
だから、失敗しても考えたことはしっかりと評価しましょう。
コミュニケーションは面倒か?
ここまで、コミュニケーションについて書いてきました。
- 「認識の共有って面倒でしょ?」
- 「コミュニケーションって飲み会とかしないといけないの?」
- こっちは忙しくて、正直それどころじゃないんだよね
といった声も聞こえて来そうですが、そうではありません。
コミュニケーションとは相手とニコニコすることではなく、必要な情報をしっかりと共有することです。
そしてそれは、仕事をスムーズに進めて成果をあげる為です。
決して慣れ合う為ではありません。
そして大切なのは、次の2つをしっかりと共有することです。
- 仕事の目的
- 期待する役割
これさえできれば良いので、わざわざ多くの時間を割く必要もありません。
このようにしてしっかりとコミュニケーションを取っていけば、自分で「考える」ことを選択してくれるようになり、指示待ちはなくせるのです。
指示待ち人間がいなくなった時のメリット
次の3つがあります。
指示待ち人間がいなくなった時のメリット
- メリット①:成果が上がる
- メリット②:イライラしなくなる
- メリット③:あなたも部下も育ち、組織が成長する
メリット①:成果が上がる
指示待ちが発生すると当然、細かい指示が必要になったりして手を取られます。
これが無くなるだけでもずいぶん楽になりますね。
その他にも、部下(自分以外)の目線が加わるので、自分では出せない発想なども共有できるようになります。
長い期間同じ仕事をすると、柔軟な発想が出なくなるので、新たな目線が加わると素晴らしいアイディアが生まれることもあります。
メリット②:イライラしなくなる
はっきり言って、指示待ち人間にはイライラします。
これは誰だってそうだと思います。
これが無くなります。
実は、部下もイライラしている
上下関係があるので、あからさまに態度には出しませんが、実はあなたがイライラしている時、部下もイライラしている場合が多いです。
「そうして欲しいなら最初っからそう言ってくれよ!」
あなたも昔、上司に対してこんな風に思った事がありませんか?
指示待ちが無くなれば、こんなこともなくなり、お互いに気分良く仕事が出来るようになります。
メリット③:あなたも部下も成長し、組織が成長する
部下に仕事を任せるようになると、自分が新たな仕事に取り掛かれるようになります。
あなたも部下も、新しい仕事をこなす事で大きく成長していきます。
仕事を部下に任せることはとても重要です。
その辺の事に関してはこちらの記事が参考になります。
あなたも部下も成長するということは、組織も成長していきます。
指示待ちを無くせば、以上のようなメリットが享受できることになります。
気分よく良い仕事をしていく為にも、指示待ちをしっかりと解決していきましょう!
最後に
自分で考えて行動する部下を持てば、仕事も段違いに進むようになり、どんどん成果が上がるようになります。
しかも、気分良く仕事が出来るので指示待ち人間は絶対に解消しておきましょう。
教育をすることになった時の心構えについてはこちらの記事をどうぞ
それでは、今日も一日ご安全に!